イチョウの葉が特徴的なのはナゼ?原始的植物と言われる理由!

先日、家族で日本料理の番組をテレビを見ていた時のことですが、お料理の上には美しい野菜の飾り切りが添えてあったのが印象的でした。カボチャで作られた黄色いイチョウの葉が、色どりと季節感を醸し出していて日本料理の奥深さを再認識した日でした。

ふと気になったのですが、イチョウの葉は他の植物の葉に比べて、とっても特徴的な葉の形をしています。どうしてこんな葉の形になったのでしょう?

イチョウの葉の形に独特の特徴がある理由は何なのか、調べてみましたよ。


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生きた化石と呼ばれるイチョウの木

イチョウが現在の姿となったのはジュラ紀で、恐竜と共存していたと言われています。世界各地で氷河期の化石として発見され、現在も同じ形で存在し続けていることから「生きた化石」と呼ばれています。

樹齢が1,000年を超えるイチョウが存在するほど、生命力が強いことで知られています。度々イチョウの生命力の強さの引き合いに出される、こんな話があります。

広島市の原爆の爆心地から2.1㎞ほどにあるイチョウの木は、幹だけ残して焼けてしまったのですが、翌年に幹から芽吹いたことで知られています。また、江戸時代には樹皮が厚く火に強いことから、延焼を防ぐために防火の木として植えられていました。

このように、イチョウがとても丈夫で他の植物よりも特徴的なのは、進化の過程が関係していると言われているんですよ。

イチョウは原始的な植物

植物の進化は、から始まります。海の中で光合成をする藻類が生まれ、陸上化しながらコケ植物、シダ植物と進化し、裸子植物、被子植物と進化していきます。

イチョウは、種がむき出しになっている裸子植物で、2億年前のその時代からほとんど姿などを変えることが無いため、原始的な植物として知られています。

また、イチョウが原始的である特徴として、葉の葉脈が挙げられます。よく見る植物の葉脈は、複雑に入り混じっているのですが、イチョウの葉脈は葉の元から先に向かって並行に走っていて、二又に分かれています。

これは、陸上化した植物の進化の中で、茎と葉が分化していく過程でできた状態だと言われているんですよ。

イチョウの葉が扇形の理由とは?

イチョウの葉は、とても特徴的な形をしています。まるで鴨の足のようだったので、中国では「鴨脚」(おうきゃく)と呼ばれています。

イチョウの平べったい葉は広葉樹のようですが、よく見ると細い針状の葉が連続して繋がっています。進化の過程で、針状の葉がいくつもくっついて現在の葉の形になったとされています。意外ですが、イチョウは松などと同じ針葉樹になるんですよ。

イチョウは葉を作る細胞が特殊

植物の葉で多い形が楕円形なのですが、葉の元から広がっていき先は細く尖っています。これは、茎の先端にある葉を作る細胞が葉の根元にあるからなんです。

葉の根元で細胞分裂を少しずつ繰り返し葉を作っていくのですが、どんどん細胞分裂が盛んになっていきます。作られた葉は葉の先端に向かっていくので、最初の方は小さい面積で葉の中心に向かうほど広い面積になります。

しかし、葉の根元に向かってどんどん葉の面積が狭まっていくのは、葉を作ることもいつかは終わりにしなければならないので、細胞分裂の数を減らしていき楕円状になるということなんです。

イチョウの葉の場合は、葉の先が広く葉の根元に向かうにつれ、面積が狭くなっていきます。これは、葉を作る細胞が葉の先端部分にあるため、楕円状の葉を作る過程とは逆方向に細胞分裂が進行しているからなんですよ。

切れ込みの入ったイチョウの葉もあるのはナゼ?

イチョウの葉は扇形だけではなく、切れ込みが入ったものもあります。切れ込みの有無は、イチョウの木が雄か雌かによって違うという俗説もありますが、実は根拠はないと言われています。

どんな理由で葉に切れ込みが入るのか、実際のところはまだわかっていません。しかし、統計的に見ると、6月より前にできた葉には切れ込みが少なく、6月以降にできた葉には切れ込みが入る割合が多かったというデータがあります。

まだまだ謎の多いイチョウですが、古代から繋ぐ命には不思議がたくさんあるのかもしれませんね。

まとめ

よく通る道沿いには、たくさんのイチョウが植えられています。秋には、美しい黄金のイチョウ並木になります。

身近にあるイチョウがまさか、氷河期以前から種をつなぐ植物だったとは!思いの外、壮大な事実を知ってしまったので、これからイチョウを見る目が変わりそうです。

イチョウの葉の形が特徴的なのも、理由がわかってスッキリしました。身近な謎を解決できてよかったです。


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