ピアノの防音対策!マンションにはこの方法♪
娘は5歳からピアノを習っていて、コンクールにも何度が出場したこともありました。大学生になった今では、アパートで一人暮らしのため、気軽にピアノ教室には通えなくなりましたが、たまにピアノを弾きたくなることがあるようです。
そんな娘が高校生の頃、合唱部の定期演奏会で伴奏を任されたことがありました。毎年恒例のOB・OG演奏の20分を超える曲の伴奏ということで、プレッシャーが半端が無かったのも今となってはいい思い出です。
とはいえ、いくら田舎の一軒家でも住宅街ですし、ご近所の手前ピアノの練習をする時は気を遣っています。部屋の窓やドアは全部締め切って、防音効果はあるのか定かではありませんでしたが、窓にはプチプチの梱包シートを貼ってみたりして練習していました。
今年は、娘の後輩が伴奏をすることになっているのですが、マンションに住んでいるので防音対策に色々大変な様子です。マンションでのピアノの防音にはどんな対策が効果的なのか、調べてみましたよ。
目次
ピアノの音ってどれぐらいの大きさなの?
騒音とはどの程度の大きさのことを指すのか、環境省による音の基準が定められています。通常、夜間の住宅街の境界壁で40dB/A以下としています。
しかし、マンションの場合の音に関する基準は、今のところ明確な決まりはありません。マンションは、一軒家よりも部屋同士で壁や天井床などが接していて音が伝わりやすいため、40dB/Aよりもさらに5~10dB/A音を小さくする必要があります。
その音の目安は、接している部屋から聞こえる音が「柱時計のカチカチの音」ぐらいの大きさ(35dB/A)と言われています。ピアノの音は約80~85dB/Aだと言われているので、漏れる音が気になってしまうのは当然のことですよね。
マンションでピアノを弾く場合には、絶対に防音対策をしておく必要があります。人それぞれ生活のサイクルも違うので、どんな時間であっても音を気にせずに出していい、という環境ではないのが現状です。
それでは、マンションでのピアノの演奏におすすめの防音対策を見ていきましょうね。
マンションにおすすめのピアノの防音対策:部屋に防音室を入れる
マンションの管理組合から工事の許可が取れない場合もあるため、部屋の壁や床を工事して部屋ごと防音室にすることは難しくなります。ですが、部屋よりも小さいサイズの組み立て式の防音室を部屋に入れることはできます。
組み立て式なので、大掛かりな工事も無く1日で防音対策が整った部屋を作ることができます。ただし、重量が軽いものでも200kg以上はあるため、管理会社に重量制限の確認をしてから検討するようにしましょう。
ピアノの音は、アップライトの場合で演奏するその場で聞いた場合には、人の耳で感じるところの「ものすごくうるさい」とされる90㏈以上になります。それが、防音室の中でピアノを演奏した場合には、家の外に漏れる音の大きさは「静か」とされる40㏈前後まで低減されます。
防音室の場合、どれだけの防音性能を備えたものであるのか指標があり、「Dr」の数値が大きいほど防音効果が高いとされています。防音室のDrは、Dr30~50の種類があります。
以下の動画は、ヤマハの防音室でピアノを弾いた場合の音の実験になります。
このように防音室の中ではピアノを思い切り弾いても、外に漏れる音はかなり低減されています。それでは、おすすめの防音室を見ていきましょう。
ヤマハ「セフィーネNS」
部屋の形状に合わせて設計するタイプと、サイズが決まっている定型タイプの防音室とがあります。ヤマハの防音室は、単に防音する部屋ではなく音響効果を整えた性能を兼ね備えています。
アップライトピアノだと2.0畳サイズ98万円(税抜)~、グランドピアノだと3.0畳サイズ124万円(税抜)~になります。
詳しい内容は、以下で確認してみてくださいね。
https://jp.yamaha.com/products/contents/soundproofing/ready-made_rooms/cefine_ns/index.html
カワイ防音ルーム「ナサール」
こちらも、組み立て式のユニットタイプと、自由設計のオーダータイプがありますが、カワイの場合は、ヤマハには無いドラムやエレキギターなどの爆音にも対応する高防音(Dr50)タイプのユニットもあります。
アップライトピアノだと1.7畳サイズ70万円(税抜)~、グランドピアノだと3.0畳サイズ95万円(税抜)~になります。
詳しい内容は、以下で確認してみてくださいね。
https://www.kawai-os.co.jp/product.aspx
マンションにおすすめのピアノの防音対策:防音グッズ
防音対策をする場合に、必要になる箇所は以下の4点になります。
- 壁
- 床
- 窓
- 天井
マンションのどんな場所の部屋に住んでいるかでも、対策箇所が変わってきますね。それでは、それぞれの防音対策グッズについて見ていきましょう。
壁の防音対策
アップライトピアノは、背面に共鳴板が取り付けられています。壁側にピアノの背面を向けて置くことが多いのですが、隣の部屋側の壁から振動や音が伝わりやすくなります。
ピアノと壁の間に防音装置を入れることで、防音効果を高める方法があります。
- 防音ECOパネル
東京防音株式会社の防音ECOパネルは5層構造で、しっかり遮音をします。以下の動画は、防音効果の実験の様子です。
演奏者には、音量などは変化が少なく練習の妨げになりませんね。
値段は、定価74,800円(税込)になります。詳しい内容は、以下から確認してみてくださいね。
https://www.piano-bouon.jp/shopping/?pid=1559275123-968835&ca=1 - ワンタッチ防音壁
防音専門ピアリビングのワンタッチ防音壁は、女性でも簡単に取り付けすることができます。注文時に壁のサイズに合わせてカットしてから送ってくれるので、そのまま壁に取り付けることができて手間も少ない優れものです。
防音壁の断面を見ると、遮音材を両面から吸音材で挟んだ状態になっているので、高い防音効果があります。以下の動画は、ワンタッチ防音壁の参考動画になります。
80㏈の音が40~50㏈まで低減されます。6畳の部屋の壁を一面ワンタッチ防音壁を取り付けるとなると、約19万円ほどになります。施工業者に依頼すると9万円以上は高くなります。
詳しい内容は、以下から確認してみてくださいね。
https://www.pialiving.com/fs/pialiving/c/onetouch_wall
床の防音対策
ピアノは、鍵盤をたたいて音を出す仕組みの楽器なので、音と一緒に振動も床に伝わります。鍵盤をたたくカタカタ音や、ペダルを踏んだ時に出るドンドンという音が階下に響いてしまうため、防音対策が必要になります。
- 静床ライト
防音専門ピアリビングの静床ライトは、3層構造になっているタイルカーペットで、日本産業規格(JIS)の遮音等級は、椅子の移動や落下音に対して階下に伝わる音がほとんど無いとされる「特級」になります。
以下は、防音効果を実験した動画になります。
50cm角のタイルカーペットで、床に敷き詰めるだけで防音対策できます。カーペットは、裏面からカッターで切り落とせるので女性でも簡単に施工することができます。
6畳の部屋の床に敷き詰める場合には、大体35枚必要になります。10枚で10,000円(税抜)です。
詳しい内容は、以下から確認してみてくださいね。
https://www.pialiving.com/fs/pialiving/c/shizuyuka
窓の防音対策
音は、窓からが一番漏れやすくなります。窓にも防音対策を施しておくと効果的ですよ。
- 窓用ワンタッチボード
部屋の窓枠のサイズに合わせたボードを作ってくれます。窓枠にはめるだけで新しい壁を作り、簡単な作業で二重サッシと同等の防音効果を得ることができます。
2枚連結タイプで、幅1216~1835mm、高さ906~1205mmの場合だと、69,000円(税抜)になります。設置方法などは以下の動画などで確認してみてくださいね。
天井の防音対策
天井の防音対策は、落下の危険性もあるため専門業者にお願いすることがよいとされています。とはいえ、マンションの場合には管理会社の許可が無いと工事はできないため、熟考をおすすめします。
まとめ
一番効果的なのは、組み立て式の防音室を部屋に入れることなんでしょうが、なかなか高価なので一時のピアノの練習のために購入するのは難しいですよね。
それこそ、音大に行くためにレッスンが必要とか、将来ピアノに携わる仕事に就く予定などでないと、踏ん切りがつかないです。
マンションのどこの場所に部屋があるのか、によっても防音対策は変わってきますが、6畳の部屋の壁・床・窓2つとしてもフル装備したら最低でも40万円ぐらいにはなるのでしょうか。
どこかで折り合いを付けながら、隣人や階下の住人などの様子から最低限の防音対策はしなければならないと思います。ずっと同じマンションに住む以上、迷惑はかけられません。
思い切りピアノが弾ける環境のために、心強い防音グッズがあることで安心できますね。