深層心理!性格テストには根拠はあるの?
最近ネットでよく目にする深層心理テスト、試しにやってみると面白いですよね。当たってるような、そうでもないような。よくわからないけどそんな気がしてきた・・・というような気持になります。
深層心理から隠れた自分の性格が見えてくるこの手の心理テストって、心理学的には根拠があるのもなのでしょうか?
問いについて数個ある答えの中から選ぶとその人の性格の傾向がわかる、という深層心理テストをした時に私の選びたい答えがココには無い!と思ったことがあります。
人間の性格の傾向を5つぐらいにカテゴライズするのは、さすがに無理なんじゃないのかな・・・と。あまりにもたくさんの心理テストがあって、まるでゲームのようですよね。
深層心理テストで性格が見抜けるというのは何か根拠があるのでしょうか?詳しく調べてみました。
目次
深層心理とは?
人の意識には、自分で確認できている部分を顕在意識、自分で気付いていない部分を無意識や潜在意識としています。
悩んだり自分の意思で何かを決定している時には、顕在意識が働いている状態です。一方、潜在意識では過去の経験から無意識のうちに積み重ねられた習慣や価値観、創造力、感情、記憶など、自覚できていない意識のことを言います。
日常のひらめきや直感、緊急時などの行動を選択する時には、今まで培ってきた知識の貯蔵庫である潜在意識を使っています。驚くことに、潜在意識は人の意識のうちで約9割以上を占めているとされていますが、潜在意識をコントロールして使うことはなかなか難しいと言われています。
その潜在意識の一部分で、潜在意識の中の奥深くにある心の動き(心理)が深層心理です。面白いことに、潜在意識をコントロールすることは難しくても、人間が物事を判断する時には無意識に深層心理からのコントロールを受けています。
心の奥深くに眠っている自分とは?
人が暮らす日常では、ほとんどが選択することで成り立っています。人は、生活の上で円滑に物事が進むように、また自分の感情とのバランスをとるためになど、様々な理由から自分の意思とは違った選択や行動をしています。
日常のささいな自分との矛盾や、トラウマになるほど封印したい過去や経験を潜在意識の奥深くに追いやることで、自分が自覚する意識の中では忘れているものとして扱いながら生きています。
例えば、夢を見ることも深層心理の反映を受けています。睡眠とは脳の整理をするための時間、そして無意識の時間です。たくさんの記憶の中で印象的な経験や、実は気にしているもの事を色濃く夢に反映させます。
心理学では、願望、悩み、恐れなど、夢の中では現実そのままの姿形で現れることがないため、いくつかに分類して深層心理を伺い知る手掛かりにしています。
忘れていると思っていたことが、何かのきっかけでブロックが外れて唐突に思い出したり、夢に現れることがあります。人の記憶とは、消えてしまう訳ではなく心の奥深くに保管してあって、現実の行動にも影響を及ぼしているものだと考えられているんですよ。
深層心理テストは当たるのか?
では、無意識の心の奥深くにあるとされる記憶が私たちの選択をコントロールしている、としていますが、簡単な設問を選択するだけの深層心理テストには信ぴょう性があるのでしょうか?
と、その前に深層心理テストは最近とても人気で、一つやり出すと他にも次々やりたくなりますよね。どうして、深層心理テストはこんなにもやらずにいられなくなるのでしょうか?
深層心理テストは自分を確認するためにやっている?!
こんなにも深層心理テストがたくさんあるのには、人は無意識に「自分はこんな人間だ」と客観的に知りたくなることと、それを肯定してもらいたいという両側面があります。
これは自己認知欲求と言って、自己をより深く知りたい、そうであることを確認したい、知らない自分の一面を知りたいという誰もが持つ欲求です。
深層心理テストは、手軽に自己認知欲求を満たすことができます。当たっていれば正解だと思い、当たってなくても知られざる一面を知ることができたと感じるので、悪い気はしませんよね。
しかし、深層心理テストとは人の心理現象を使ったものなので、当たる根拠はあまりないと言われています。
当たっているような錯覚を作っている
深層心理テストが当たっているように感じるのには、誰にでも当てはまるようなことが自分にだけ当てはまっていると感じる心理現象が起きているからなんです。これをバーナム効果と言います。
バーナム効果を使った深層心理テストでは、こんな特徴があります。
- 誰にでも当てはまりそうなこと
- 曖昧で具体的な事は書いていない
- 二面性を指摘している
他人のことなら冷静に客観視できるのに、自分のこととなると思い込みが出てしまうのも人間の特性です。
特に、二面性に関しては「あなたは優しいですが、時に冷徹にもなれる人間です」などと全く逆のことを言っていたとしても、それも自分なんだと納得してしまうことがあるので面白いですよね。
実は、占いでもこの手法がとられています。具体的な事は言わずともふんわりとした答えで当たってるような錯覚を作っています。
都合よく解釈してしまう
人は、自分に関する新しい情報を得た時に、以前から持っている自分の情報の中からそれらしいものを結びつけて考えたり思い込んだりします。これを確証バイアスと言います。
「そういえば、以前こんなことがあったな」→「やっぱり、あの時のことと関係あったんだ!」となる訳です。この時に、妙に腑に落ちる瞬間がありますよね。
この確証バイアスは、完全に捨て去ることができません。人の脳は、あらゆることを片っ端から考え続けることは負担になるので、記憶の引き出しから適当に結び付けて負担を減らそうとしています。
自分から深層心理テストにすり寄ってしまっていないか、冷静になることも必要ですね。
性格の深層心理テストが一番当てにならない!
性格とは、様々な面があるものです。怒りっぽいけど優しくて、よくしゃべるけど恥ずかしがり屋など、その時の気分や相手によっても現れる性格は一つだけではありませんよね。
性格を深層心理テストから見出すのは、その人の性格の限られた部分だけを切り取って提示されているに過ぎません。だから、性格を当てることとは実は簡単な事なんです。
性格診断ほど深層心理テストでは信憑性が無いものと言えます。
まとめ
何だかすごいですね・・・。深層心理テストはそんなに当てにならないだなんて。
人の心の90%以上は無意識で、記憶は消えてなくなるものではなくて心の奥深くに眠っている、ということを知って驚きました。
嫌なことはさっぱり忘れてしまいたいし、もう忘れたはずなのに、急に思い出すこともあります。なぜ今このことを思い出すのだろうと思うのですが、何か意味があるのかもしれませんね。
人の心や脳って不思議なものですよね。深層心理テストは、お楽しみ程度で深入りしないようにしたいものですね。