テレビの音量と電気代の関係!音を下げると安くなる?
先日、高校時代の友人の家に遊びに行った時のことです。
居間に通され、友人がお茶を入れてくれている間、何気にそこでついていたテレビを見ていたのですが…なんだか音が小さい…。
なんでも、電気代を節約するために、音量を絞っているのだとか。ええっ?そんなんで、電気代って安くなるの?
「なるのよ!音を下げるだけで、省エネになるんだって!」
あいまいに微笑みながらも、心の中では「本当なの、それ?」と半信半疑の私。てなわけで、帰宅して早速調べてみました。
テレビの電気消費量
音量の前にまず、テレビはどれぐらい電気を消費しているのでしょうか?経済産業省・資源エネルギー庁の2011年度の調査によると、家電別電気消費量トップ5は以下の通りとなります。
- 電気冷蔵庫 14.2%
- 照明器具 13.4%
- テレビ 8.9%
- エアコン 7.4%
- 電気温水器 5.4%
これをみてもわかる通り、上位5位が家庭で使う電気の約5割を占めています。そして問題のテレビはそのうち第3位、約1割弱の消費量となります。これは案外バカにはできませんよね。
ではそのテレビの電気代ですが、これは世帯構成によって多少差があるため、一概にいくら、と数字を出すのはちょっと難しいのですが、だいたい平均的な使用量から割り出してみます。
電気代は「消費電力(kw)×使用時間×単価」で割り出されます。テレビの場合、最も標準的な32型液晶を例に取ると、だいたい1時間当たりの消費電力は0.065kw、それに電気料金目安単価27円をかけると、1時間の電気代は約1.8円となります。
1日どのぐらいテレビをつけているかは、各家庭によって異なりますが、だいたい5時間程度と考えると、1日のテレビの電気代は約9円、1か月で約270円、1年で約3,240円となります。
テレビの電気代を安くする方法
じゃあ、この3,240円が音量を下げることで、どれほど安くなるのでしょう?
結論から言ってしまうと、音量を下げるだけでは、さして安くはなりません。
例えば、無音を基本として、最大音量まで上げてみたとしても、1時間あたり約0・005kw程度で、電気代にすると約0.1円です。
これを、先の平均試算に当てはめてみると、年間でも180円ほどにしかなりません。無音を基本としてこれですから、実際は年間でも100円以下の節電ということになりますね。
外付けでスピーカーなどを取り付けていればもう少しかかるのでしょうが、普通にテレビを見ている限りでは、音量で電気代を節約する、というのは、あまり意味のない事のようです。
そもそも音量よりも、テレビの消費電力を押し上げるのは、画面の明度だと言われています。明るさを1段階下げるだけで、先の液晶32型で換算すると、年間約27kw、電気代で700円程度の節約になるそうです。
しかし一番手っ取り早い節約方法は、やはり視聴時間を減らすことでしょう。1日1時間減らすだけでも、年間600円程度は節約できます。
BGM代わりに、「ながら」でつけっぱなしにすることはやめて、見ない時はキッパリ主電源からOFFにする。このほうが、音量よりも電気代を節約できるのは間違いありません。
おわりに
というわけで、早速友人に、調査結果を報告してみました。友人は、半年も頑張ってきたのに…とちょっとガッカリしたようです。
「まあでも、おたくのお子さん、受験生だし、大きな音を立てなかったってのは、いいことだったんじゃない?」と、あまりフォローにもならないなぐさめを言ってみたのですが、効果はなかったようで…。
しかし、実際のところ、小さい音でテレビを見ることに、ちょっとイライラしていたそうです。テレビは娯楽か情報収集のためにある家電なんだから、そういうのも困りものですよね。
音量は、あくまで隣近所にご迷惑がかからない程度の大きさで。それが基本かな、と思います。