おでんの具の地域の違いとは?全国のご当地具材はコレ!

実家から車で10分ほどの場所におでんで有名な店があったのですが、急に幼い頃のことを思い出したことがあります。

幼い頃に、風邪を引いた私を母親がおぶって、歩いて15分の病院まで連れて行ってくれたこと、病院の帰りにその店でおでんを買ってくれたこと、懐かしいおでんの匂いまで思い出しました。

大学進学の引っ越しと共に、その店に足を運ぶこともなくなりましたが、ネットで検索してみたところまだ店があることがわかり、実家に立ち寄りながら久しぶりに行ってみました

これこれ、私の知ってる味。だけど、実家の母が作っていたおでんの具とは少し違っているな、と思いました。遠く九州からこの地に嫁いできた母が作るおでんの具が違うのは、やっぱり地域が違うからなんでしょうか?

好奇心で調べてみたら、地域の違いでこんなにおでんの具にも違いがあったんです!地域別おでんのバリエーションについて調べてみましたよ。


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地域別おでんの具の特徴

おでんの具は、地域によって違いがあります。その土地の特産物を入れたり、地域ならではのオリジナリティーのある自由な料理なんですよ。それぞれの地域の特徴的なおでんの具を紹介していきますね。

北海道地域

北海道のおでんは昆布でだしを取り、薄い醤油味に仕立てます。海の幸山の幸の具を入れるのが北海道地域のおでんです。

おでんの具の特徴は、ホタテ貝、ツブ貝、白子、カニなどの魚介類、「マフラー」と呼ばれる長方形のさつま揚げ、フキ、ネマガリダケなどの山菜を入れます。

みそだれを付けて食べます。

東北地域

海産物と山菜がおでんの具の特徴で、東北地域でもいくつかバリエーションがあります。

  • 青森地域

    ホタテ貝、ツブ貝、タケノコ、「大角天」と呼ばれる薄くて大きな四角い薩摩揚げ、ぼたん焼きちくわ、白こんにゃくなどがおでんの具の特徴です。

    津軽みそに、おろし生姜とみりん、酒を入れて加熱した「生姜みそ」をかけて食べます。

  • 仙台地域

    焼き干しいわしのだしで醤油で味付けしたすっきりとしたおでんの汁になります。

    特徴的なおでんの具は、サンマのすり身を使ったつみれ、ネマガリダケ、結び昆布などになります。

  • 秋田地域

    だしは、焼き干しいわし、昆布、干ししいたけで取り、醤油と砂糖、酒で甘めの味付けをした煮物風のおでんになります。

    セリ科の「ニオサク」や「エゾニュウ」と呼ばれる山菜やさつま揚げ、焼きちくわなどが入っているのが特徴です。

関東地域

関東地域のおでんのだしは、昆布とかつおだしが強めにきかせて、濃い口しょうゆで味付けしたコクのあるおでんの汁になります。

特徴は、練り物の種類が豊富で、はんぺん、つみれ、ちくわのように穴が開いた小麦粉の練り物「ちくわぶ」、魚の軟骨やすじをすりつぶした練り物「すじ」、結び昆布が入っています。

中部地域

見た目も味付けも、多種多様な中部地方のおでんです。

  • 静岡地方

    真っ黒なおでんの汁と、串に刺さったおでんの具が特徴的な静岡おでんです。汁が真っ黒なのは、醤油などで煮込んだ牛すじの黒いだし汁とをかつおのだし汁を混ぜるためです。

    黒はんぺん、なると巻き、牛すじ、豚もつ、ちくわ、じゃがいもなどが入っているのが特徴です。いわしやかつおのを細かく挽いた「だし粉」と青のりをかけて食べます。

  • 飯田地方

    おでんの具には、はんぺん、焼き豆腐、つみれなど、それほど群を抜いて珍しいものはありませんが、おでんの具にねぎだれをかけて食べるのが特徴です。

    基本は、刻みねぎ、醤油、みりん、ゆずですが、それぞれの家庭の作り方があって、バリエーションに飛んでいます。

  • 金沢地方

    昆布、煮干し、鰹節で取っただしは、透きとおってあっさりした味付けです。

    おでんの具の特徴は、牛すじ、ばい貝、がんも、「赤巻」と呼ばれるなると巻きのようなかまぼこ、真ん中に穴の開いた「車麩」などが入っています。

  • 名古屋地方

    八丁味噌と砂糖で味付けした甘辛く濃厚なおでんの汁に浸かった具は、焦げ茶色になっています。

    おでんの具の特徴は、牛すじ、豚もつ、焼き豆腐、小麦粉で作った持ち持ちした食感の「角麩」などが入っています。味噌風味なので、独特な香りが特徴です。

関西地域

関西地域では、おでんの発祥が関東であることから、おでんのことを「関東煮」や「関東炊き」と呼ぶことがあります。関西地域では、関東風の醤油ベースの汁とが、薄口しょうゆと昆布で味付けしたあっさり薄味の汁が混在しています。

  • 京都地方

    昆布でだしを取り、薄口しょうゆで味付けします。薄い色であっさりとした汁になります。

    特徴的なおでんの具は、がんもどき、豆腐、里芋などを入れます。

  • 大阪地方

    関東のおでんの汁に、鶏手羽元のだしがきいた汁になります。

    特徴的なおでんの具には、たこ、牛すじ、ごぼ天、薄いさつま揚げ「平天」、じゃがいもなどを入れます。

  • 姫路地方

    おでんの汁は関東風に近い味付けですが、生姜醤油をかけて食べるのが姫路地方のおでんになります。

    牛すじ、平天、ごぼ天などが入っています。

中国四国地域

中国四国地方のおでんは、日本海側と瀬戸内海側での味付けが違います。

  • 松江地方

    手羽先と干しあごでだしを取り、薄口しょうゆで味付けします。

    特徴的なおでんの具は、手羽先、ばい貝、とびうおのすり身で作られた「あごちくわ」、春菊、セリなどが入っています。葉物野菜が入っているおでんは、珍しいですね。

  • 高松地方

    いり粉と昆布でだしを取り、薄口しょうゆで味付けします。

    細切りしたきくらげが入っている魚のすり身「白天」、里芋、牛すじなどが入っているのが特徴です。つけだれは、白みそベースと赤味噌ベースの味噌だれを付けて食べます。

  • 高知地方

    鰹節と手羽先で取っただしを薄口しょうゆや砂糖などでコクのある味付けにします。

    手羽先、じゃこ天、紅かまぼこ、ジャガイモなどが入っているのが特徴です。

九州沖縄地域

九州沖縄地方のおでんは、コクのある甘めの味付けが多いのが特徴です。

  • 長崎地方

    焼きあごでだしを取り、醤油、みりんなどで味付けします。

    ゆで玉子をいわしのすり身で包んださつま揚げ「竜眼」、紅かまぼこ、ちくわなどとにかく練り物がたくさん入っているのが特徴です。甘く味付けされているさつま揚げから、コクと甘みが加わったおでんになります。

  • 福岡地方

    昆布と鰹節でだしを取り、九州の甘醤油などで味付けします。

    餃子を魚のすり身で包んださつま揚げ「餃子巻き」、餅入り巾着、ロールキャベツなどが入っているのが特徴です。

  • 鹿児島地方

    昆布、煮干しなどでだしを取り、甘口の麦味噌や砂糖、焼酎などで味付けします。

    特徴的なおでんの具は、豚のスペアリブ、棒状のさつま揚げ「棒天」、大豆もやしが入っています。

  • 沖縄地方

    かつお節でだしを取り、豚足や豚肉などが主役になったおでんです。

    特徴的なおでんの具は、豚肉の他に、ウインナー、レタス、小松菜、ほうれん草などの葉物野菜が入っています。

まとめ

おでんって、生まれ育った土地や住んだことのある場所のもの以外は、なかなか知らない具が多いものですね。その土地の特産物を使っただしや具のバリエーションが豊富で、いつものおでんとは違う味付けのものも食べてみたくなりました。

毎年、両親の出身地の九州に居る親せきからお歳暮にさつま揚げが届くのですが、甘い味付けのもので玉子の入った竜眼や棒天、いわしのすり身のさつま揚げなど、今回調べてみてこの九州ならではの練り物をおでんに入れていたんだな、と納得しました。

故郷や住み慣れた土地のおでんは、郷土食なんですね。懐かしいふるさとの味、大事にしたいですね。


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