さつまいもは保存で甘くなる?!ベストの環境と方法!
毎年ゴールデンウィークの頃、家庭菜園にさつまいもの苗を植えるのが我が家の毎年のルーティーンです。秋の収穫の時期は、さつまいも掘りが楽しみの一つになっています。
毎年、何となく気が付いたことなんですが、さつまいもって掘りたてを食べるとあんまり甘くないように感じます。家庭菜園仲間から以前聞いたことがあるのですが、さつまいもは掘ってから少し保存しておくと甘くなる、と言っていましたが本当なんでしょうか?
さつまいもも果物のように追熟させるものなの?大量のさつまいもがある時には、保存の方法も何がベストなのかよくわかりません。この機会に、さつまいもが甘くなる保存の方法について調べてみましたよ。
さつまいもは保存しておくと甘くなる?
さつまいもの主成分はでんぷんで、全体の約15~30%を占めています。
さつまいもが土で育っている時は、光合成によって栄養をでんぷんに変化させて貯蔵しています。そして、さつまいもを茎から切り離し掘り上げた時から、蓄えた栄養(でんぷん)を糖分に変えて発芽のための準備をしていきます。
そのため、さつまいもは掘り上げた直後からどんどん甘くなっていきます。つまり、掘ったばかりが一番甘くない、という訳なんですね。
とはいえ、温度や保存状態によってはさつまいもが傷んでしまうこともあるので、甘くなるように保存するにはポイントがあります。詳しく見ていきましょうね。
さつまいもはどれぐらい保存すると甘くなる?
千葉県農林水産技術会議「新品種活用による産地育成を目指したサツマイモの高品質生産技術・販売促進支援の手引き」では、さつまいもを甘くするためにはどれぐらいの期間、温度で保存すると効果的なのかをデータで発表しています。
さつまいものデータを取ったのは、一般的な品種でホクホクとした食感の「ベニアズマ」と新品種でしっとりだけどホクホク、とても甘い「べにはるか」を使っての実験結果です。どちらも10月下旬に収穫したものを使用しています。
実験のデータを簡単にまとめると、
【ベニアズマ】
- 10月下旬収穫後から12月までに急速に甘みが増していき、2月をピークに甘みは変化が無くなっていく
- ホクホクの食感からしっとりとした食感へ変化する
- 2月以降は、甘みと食感の変化が止まる
【べにはるか】
以上のことから、さつまいもは収穫後2ヵ月以上の保存の間に急速に甘くなり、4ヶ月経つ頃には甘みの変化が無くなっていくことがわかります。
さつまいもの保存温度のポイント
さつまいもは、乾燥と低温に弱い植物です。また、20℃以上になると発芽してしまいます。保存する時の温度には気を付けておくのがポイントです。保存に適した温度は13℃~16℃、湿度90%~95%になります。
さつまいもの保存方法のポイントは、
- 洗った後よく乾かして一つずつ新聞紙で包む
- 日の当たらない室内の涼しい場所に、発泡スチロールの箱に新聞紙に包んださつまいもを入れる
- 発泡スチロールの箱の蓋は少し開けておく(きっちり蓋を閉めると、湿気でさつまいもが腐りやすくなる)
以上の方法で保存しておくと、6ヶ月後ぐらいまで美味しく食べることが可能ですよ。
まとめ
さつまいもを甘くするためには、まとめると以下のようなポイントがあります。
- 日の当たらない涼しい場所(温度13℃~16℃)
- 発泡スチロールの箱の中に入れて保存し、蓋は少し開けておく(湿度90%~95%)
- さつまいもは一つずつ新聞紙に包む
今までは、さつまいもを掘り上げたら洗って乾かし、箱などに入れて比較的涼しい部屋で置きっぱなしにしていました。実は、早くに腐ってしまうさつまいもも多々ありました。
また、収穫したさつまいものストックが無くなり、スーパーなどで買ったさつまいもはビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室に保存しておきましたが、さつまいもは低温に弱いんですよね。
冷蔵庫で保存する場合には、新聞紙に包んでからビニール袋などに入れてからにするといいようです。
今さらながら、さつまいもは追熟させると甘くなることなど知らなかったことばかりで、これからのさつまいもの保存に役立ちそうです。