右脳と左脳!嘘をつく時の脳の働きとは?

私の夫は、嘘をつく時に目が泳いで明らかに挙動不審になるのでとってもわかりやすい。根が正直者なだけに、嘘をついてもすぐばれてしまう

中学生の息子も、自分に不利な状況になりそうでも、大きな嘘をつくところまではいけません。悪いことしたら、大抵バレます。

でも、世の中には素知らぬ顔で嘘を平気でつき続けられる人もいるし、人を騙しても何とも思わないような人もいます。一方で、相手を思いやっての傷つけないための優しい噓をつく人もいますよね。

嘘をつくということにも色々な心理が働いているように感じますが、脳科学的にはどんな働きがあるのでしょう?正直者と噓つきの脳の働きは違いがあるのか、詳しく調べてみました。


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なぜ人は噓をつくのか

人は、本質的に嘘をつく生き物だと言われています。しかも日常的に嘘をつき、嘘をつかない人はいないのだそう。

脳科学者の澤口俊之氏によれば、なぜ人が嘘をつくのかというと、人の進化の過程で嘘をつくことで自己利益を得てきたという側面と、人間関係を良好に保つように協調性を高めるため、という面があると言っています。

そして、実は協調性を高めるために嘘をつく行為とは、日常で皆が当たり前のようにおこなっています。

相手から「この髪形どう?似合ってる?」と聞かれて、たとえ似合っていないとしても「似合ってるよ!」と大抵は嘘の返事をしますよね。この嘘は「その場逃れ」のためについた嘘ではなく、協調性を高めるためにした行動になります。

人は無数の嘘をついて生きている

また、米バージニア大学心理学博士のラ・デパウロ氏の研究では、性差によって噓の内容について傾向があると言っています。

女性は、他人の利益の優先させるよう相手を傷つけないための嘘をつく。男性は、周りの人を感心させるような自分自身についての嘘をつく、としています。

このように人は、生きている間に無数の嘘をつきながら生活しているのですが、にはどんな働きが生じているのでしょう?

嘘をつく時の脳の働きとは?

2014年京都大学の研究により、正直者と嘘つきの脳の働きの違いについて、脳の側坐核(そくざかく)の活動が高い人ほど嘘をつく割合が高い、と発表しました。

側坐核とは、大脳半球の両方(右脳と左脳)の前側に一つずつある神経細胞の集団です。大脳の内部の方にあり、報酬、快感、恐怖、意欲、嗜好に関する情報処理をしている部分だと言われています。

つまり、嘘をつく時に側坐核が活性化するのは、脳レベルで報酬に反応したということになります。自分にとって得だと察知し、お金などの報酬を期待して嘘をついた可能性があるということになります。

正直者が嘘をつく時には?

また、正直な人ほど嘘をつかずにやり過ごした時に活発になるのが、背外側前頭前野という部分になります。背外側前頭前野は、理性的な判断や行動の制御に関わる働きをしています。

お金の報酬に対して欲の多い人ほど、誘惑に負けずに嘘をつかないようにするために、背外側前頭前野で強い制御を必要としている可能性があります。

嘘をつく時には左脳が活発になる?!

人は「右脳型」「左脳型」に分けられるとか、嘘をつく時は論理的思考を司ると言われる左脳を使うとか、嘘をつく時右上を見るのは左脳を使っているからなど、聞いたことはありませんか?

しかし、MRIを使って脳の働きを調べると、右脳も左脳もほとんど同じだけの神経ネットワークが発達しています。両方の脳を使っていることは、研究によってもわかってきています。

また、嘘をつく時には右上を見るという行動も、左脳と右目が視神経でつながっていることからこのような説が出たのですが、目を動かすのは目の周りの筋肉です。左脳と右目との関係性ならば、左目は動かず右目だけが上を向くことになります。

これは不可能、おかしな話になってしまいますよね。つまり、嘘をつく時に左脳が関係しているという説は、それこそ嘘ということになります。

まとめ

自分では嘘をついている自覚がない時も、嘘をついている可能性は大きいですよね・・・。

嘘をつくことで協調性を高めていると言われれば、確かにそうかもしれないと思いました。相手を嫌な気分にしないように嘘をつくことは、人との関わりがある限りついて回ることなのかもしれません。

嘘もそうですが、脳を調べれば何でもわかってしまうということに衝撃です。脳は嘘をつかない。脳科学ってすごいですね。


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