初節句の雛人形ってそもそも誰が買うもの?

「先輩、助けてくださいよ~。
 奥さんが、チョ~不機嫌で、
 参っちゃってるんですよ。」

毎度のごとく、後輩のA君が
困りごとの相談を、
持ちかけてきました。

何事かと、聞いてみると、
娘さんの、初節句の雛人形のことで
奥さんが、機嫌を損ねているんだそう。

A君によると、先日用事があって
両親宅を、訪れたところ、
母親から

「お雛さんのカタログ、貰ってきたから、
 どれがいいか、見ておいて。」
って言われたのだそう。

A「で、カタログを、マンションに
  持って帰って、奥さんに

  『ウチの親が、雛人形買ってくれる
   みたいだよ』って言ったとたん、
  奥さんの様子が、豹変して、

  『何言ってんの!
   雛人形は、母方の実家
   揃えるのが、常識よ。

   ウチの母が、もうすっかり買うつもりで
   楽しみにして、いるんだから!』
  って激怒されちゃって…。

  先輩、雛人形って、誰が買う
  ものなんですかね?」


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雛人形は誰が買うもの?

子供の無事な、成長を祝い、
これからの、健やかな成長と、
厄除けを願い

日本では初節句に、女の子には雛人形を、
男の子には、五月人形や鯉のぼりを
贈る習慣が、ありますが、

このお祝いの品を、誰が揃えるかって、
結構、揉めるんですよね~。 (ーー;) コマッタモンダ

私「雛人形や、鯉のぼりなんかの
  初節句に関わる物を、
  購入するのは、

  父方か母方かって、いうのは
  地域によっても、違いがある
  ようだけど、

  一般的には、雛人形は母方
  用意することが、多いようよ。」

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A「マジっすか?奥さんのところでは
  もう何人も、孫がいるけど、
  僕の実家にとっては、初孫なんですよ?

  ウチの親が買っても、問題ないんじゃ
  ないんですか?

  どうして、雛人形を
  母方が、用意することに
  なってるんですか?」

雛人形を母方が用意するのはどうして?

私「何でかって、言うとね、
  昔は、お嫁さんの実家が、

  雛人形を、嫁入り道具として、
  婚家へ、贈ったりしたことが
  あったからなの。」

A「えっ!?嫁入り道具?
  雛人形って、祖父母から孫へ
  贈るものじゃ、ないんですか?」

私「その疑問を、解決するためには、
  雛人形の、そもそもの意味を、
  知ると、いいわね。」

雛祭りと雛人形の由来

私「日本では、古くから、
  紙で作った、人形(ひとがた)に
  自分の穢れを移して、身代わりにし、

  水に流して、厄を祓うという
  風習が、あったそうなの。

  これは今でも、『流し雛』として
  残っているわよね。

  この厄払いの風習が、平安時代の
  貴族の子供の、おままごと遊びである、
  『雛(ひいな)あそび』と、結びついて、

  人の厄を身代わりする、男女一対の
  紙人形ができ、これが雛人形の
  原型となったと、考えられているの。

  室町時代になると、次第に
  人形が立派になり、流すものから
  飾るものに、変化していって

  公家や武士などの、上流階級では、
  嫁入り道具として、

  豪華な雛人形を、持たせるように
  なっていったんだそうよ。

  更に、江戸時代に桃の節句が
  女の子の節句に、定められると、

  娘の厄を受ける、雛人形は
  その家の、財力の象徴として

  益々華やかになって、
  豪華な段飾り、なんかも、
  作られるように、なっていったそうよ。

  江戸時代後期頃になると、
  お祓いだの、災いを防ぐなどという
  節句の意義は、薄れてきて、

  女の子が幸せに、なるように
  という意味が、中心になってきて、

  福をもたらすもの
  縁起がいいものとして、
  飾るように、なっていって、

  やがて、女の子が生まれると、
  その娘に、雛人形を用意して
  初節句を、祝うようになり、

  健やかな成長と、幸せな人生を願い、
  『雛祭り』として、皆でお祝いを
  するようになった、という訳なの。」

A「な~る。
  嫁入り道具、だった時代も
  あったって、ことなんですね。

  母方が、用意するって、
  されている訳も
  分からなくも、ないな。」

私「実はね、もっと別の理由
  あるみたいなの。

  雛人形を母方が、用意するのは、
  日本ならではの、結婚の慣わし
  関係しているとも、言われているの。」

嫁入りの風習と雛人形

私「昔は今と違って、結婚すれば
  『嫁入り』という、言葉通り

  婿側の家庭に入る、つまり
  親御さんと、同居するのが、
  当たり前。

  そんな訳で、お嫁さんの両親は、
  嫁いだ娘や孫に、中々会いに
  行くことが、できなかったの。

  でも親としては、娘や孫が
  毎日元気に、過ごしているか、

  舅や姑に、いじめられていないか
  心配で、たまらないわよね。

  そこで、お嫁さんの両親は
  お宮参りや、初節句など
  お祝い事のたびに、

  お祝いの品を、用意して
  娘や孫の様子を、見に行く
  きっかけにしたと、いわれているの。

  初節句の雛人形は、こんな時代背景から
  お嫁さんの両親が、用意する慣習が
  出来上がって

  やがて、一般的な常識として
  定着してきた、という考え方も
  あるんだそうよ。

  こんな風に、見てみると
  元々は、女の子の成長を願った、
  厄除けの、人形だったのが、

  娘を想う、親の気持ちまでも
  込められてるって、考えると

  益々、ステキな風習に
  思えてくるわよね。」

A「なるほど~。
  泣かせますね~。 (´;ω;`)ウルウル

  と、何れにしても、ウチの両親が、
  無茶振りしてるって
  いうこと、ですよね~。

  とは言え、既に買う気
  満々、みたいだし、
  説得するの、気が重いわ~。

  ナンカ、両方の親達が
  機嫌を、損ねないような、
  いい方法、ないですかね?」

親族間のトラブルを回避するには

私「別に、A君のご両親が
  非常識って、言う訳じゃないわよ。

  最近じゃ少子化で、双方の祖父母が
  贈りたがったり、

  離婚などの事情で、母方の実家から
  贈ってもらえる、状況じゃ
  なかったりと、

  必ずしも、習わし通りにいくとは
  限らないのよね。

  ある雛人形専門店の、アンケートでは、
  現在では、自分の子供に母親が選ぶ
  ケースが60%と、主流となんだそうよ。

  結局は、しきたりにとらわれず
  各々の家庭の事情に、合わせて

  臨機応変に、考えていけば
  いいんじゃないかな。」

A「臨機応変って、いわれても、
  どうすれば、イイのか、
  全然、ピンと来ませんよ~。

  出来れば、具体的な方法
  アドバイスして、もらえませんか?」

具体的な対処方法は?

私「雛人形で、揉めそうなケースって
  色々あるのよね。

  例えば、孫が多いお家の場合、
  全ての孫の、初節句を、
  実家で用意する、となると、

  結構な金額になって、ご両親が
  負担に感じている、可能性も
  あるかもしれないし、

  そもそも実家が、
  買ってあげたいものと、
  自分達が、欲しいものに、

  食い違いが、ある場合って
  いうのも、結構良く聞く
  トラブルの、元よね。

  最近では、親達自身が
  我が子に贈りたい、という意味で、

  双方の実家を頼らず、夫婦で揃える
  ということも、少なくないようだし、

  不景気の、影響もあって
  『雛人形は、高いから、
   買わなくてもいい』と

  最初から、『買わない』という
  選択の人達も、増えているそうよ。

  ただね、こんな問題って
  これまでにも、あったんじゃない?

  例えば、ベビーベッドや
  お宮参りの、お祝い着なんかでも
  いるいらないとか、誰が買うのかとか…。

  結局、トラブルを、回避するには
  事前の両家への、根回ししか、
  ないんじゃ、ないのかな。」

A「確かに、お宮参りでは、
  奥さんにかなり、ムクレられてた
  様な気が…。

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  又あんな風になったら、大変だ!(( ;゚Д゚))オソロスィ~
  何とか上手く、根回しする方法
  教えて下さいよ~。」

私「も~、しっかりしなさいよ!(`o´)喝!

  先ずは、雛人形を用意するのか
  しないのか、用意するなら
  誰が用意するのか、なんかについて

  自分達夫婦は、どうしたいのかを、
  奥さんと、話し合って
  ハッキリさせておく、必要があるわね。

  その上で、親御さんたちが
  どう考えているのか

  それぞれの親に、探りをいれると、
  いいんじゃないかな。

  とは言っても、いくら肉親とはいえ、
  『いつ、買ってくれるの?買う気があるの?』
  なんて、聞き辛いわよね。

  そこで、基本的には『自分達で買うつもり
  って言うスタンスで、話を持っていくと
  話しやすいんじゃ、ないかな。

  一般的な、流れとしては、
  まず母方の実家に、奥さんが

  『自分達夫婦は、こうしたいと
   思ってるんだけど、どう思う?』
  と相談し、

  そこで母方の親が、買いたいという
  ことだったら、
  父方の親に、できれば旦那さん

  奥さんの実家が、用意してくれる
  そうなので、それでいいかどうかの
  お伺いをたてるの。

  ここで、A君のところのように、
  父方も、用意したいって
  いう場合は、

  父方の実家は、お雛様のお迎え人形として、
  市松人形を贈る、というやり方を
  とることもできるし、

  どうしても、父方の実家が
  雛人形に、こだわるようだったら、

  両家で費用を、折半するという
  手もあるわね。

  そこは奥さんに、任せっぱなしにしないで、
  臨機応変に、話を持っていくよう、
  夫婦で上手く、協力してね。

  ウチの場合は、夫婦で品物を買うから、
  掛かった費用を、両家で折半してって
  お願いしたわ。

  こうすれば、自分達の趣味に合った
  雛人形を、飾ることが出来るうえ、
  両家もお祝いできるから、一石二鳥よね。

  出来れば両家の両親を、家に招いて、
  食事会でも開いて、人形を披露し、
  感謝の気持ちを、伝えるといいわね。

  くれぐれも、両家のお祝いしてあげたい
  っていう気持ちを、損ねないような
  気遣いを、忘れないでね。」

おわりに

お祝い事での、しきたりって
本当に、難しいですよね。

以前は、雛人形は母方が用意することが
一般的だったようですが、最近では、
それらの風習は、とても薄れていて、

今、主流になっているのは、
パパ・ママが、自分達で
雛人形を購入し、

それぞれの祖父母は、お祝い金を
包むという、形態なのだそうです。

雛人形が、重なったり、
いきなり、置き場所も無いような

大きな段飾りを、贈ってこられたり
といった、残念なことに
ならないよう

両家のご両親と、十分な相談や
打ち合わせを、することが大切ですね。

赤ちゃんの成長を、祝っての
行事なわけですから、

こんな事で、揉めることのないよう、
みんなが笑顔で、気持ちよく過ごせる
素敵な雛祭りになることを、願っていますよ。


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