会社の健康診断!項目に義務はある?省略できる検査もある?!

私は、小さな会社で事務の仕事をしています。

毎年2月になると、会社で加入している健康保険から健康診断の受診申込書が送付されてきます。この健康診断の予約や手配をするのも私の仕事です。

だけど、毎年同じような手配をしているはずなのに年に1回の事だからか忘れていることも多くて、去年の資料を引っ張り出してあれこれ確認しながら仕事を進めています。

年に一度、自分の体の状態を知って確認することはとてもいいことですが、検査項目によっては午後2時や3時までかかることもありますよね。なるべく早く帰りたい人にとっては、もどかしい時間かもしれません。

省略できる項目があればいいのに、とある社員さんから言われたこともあります。会社の健康診断には検査の必須項目があるのでしょうか?詳しく調べてみましたよ。


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健康診断を行うのは会社の義務

労働安全衛生法第66条で、会社は対象となる従業員に医師による健康診断を必ず受けさせることが義務付けられています。また、従業員も会社が行う健康診断を受けなければならないという決まりがあります。

会社が従業員に対して健康診断を行わない場合には、法律違反となり50万円以下の罰金が課せられます。

労働安全衛生法では、従業員側が会社の健康診断を拒否した場合の罰則は設けられていませんが、会社側は職務上での命令として健康診断を指示することが認められています。

それでも健康診断を拒否する従業員がいる場合には、懲戒処分をもって処分することもできます。

健康診断の種類

会社が健康診断を行わなければならないとしている場合とは、以下5つになります。

  • 雇入時の健康診断
    従業員を新しく雇用した時に行う
  • 定期健康診断
    1年以内ごとに1回行う
  • 特定業務従事者の健康診断
    深夜業や有害物を取り扱う業務などで、雇入れ時・配置換え時・6か月以内ごとに1回行う
  • 海外派遣労働者の健康診断
    海外に6か月以上派遣する場合に派遣前と帰国後に行う
  • 給食従業員の検便
    雇入れ時と配置換え時に検便を行う

健康診断を受ける対象の人とは?

会社での健康診断を受ける対象となるのは、「常時使用する労働者」となります。具体的には、以下の2つ共の条件を満たしている人が会社の健康診断を受けることになります。

  • 1年以上使用する予定の人
  • 1週間の労働時間が正社員の4分の3以上の人

正社員でなくても、パートタイマーやアルバイトの人で労働時間が条件に達していれば、会社の健康診断を受ける必要があります。

健康診断の費用は誰が負担するの?

健康診断にかかる費用は会社が負担することになります。

ただし、労働安全衛生法で決められた検査項目の範囲内になり、個人別に希望して行う付加検診については会社によっては自己負担とする場合もあります。

それでは、義務付けられている検査項目とはどんなものになるのでしょうか?

健康診断の検査項目とは?

会社に勤めていて毎年行われている健康診断とは、一般的には定期健康診断となります。今回は、定期健康診断に焦点を当てて説明していきますね。

定期健康診断は、本人の自覚症状の有無は関係なく、病気の兆候や異常が見られないかを定期的に調べます。健康診断の検査内容とは、労働安全衛生規制で定められている以下の項目を行います。

  • 既往歴及び業務歴の調査
  • 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  • 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
  • 胸部エックス線検査及び喀痰検査
  • 血圧の測定
  • 貧血検査(血色色素及び赤血球数)
  • 肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)
  • 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
  • 血糖検査
  • 尿検査(尿中の糖及び蛋たん白の有無の検査)
  • 心電図検査

厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署リーフレットより引用

検査項目は省略できるの?

定期健康診断の検査項目については、医師が必要でないと認めた場合のみ省略するできる項目もあります。

    1. 身 長
      20歳以上の者
    2. 腹 囲
      次のいずれかに当てはまる者

      • 40歳未満(35歳を除く)の者
      • 妊娠中の女性その他の者であって、その腹囲が内臓脂肪の蓄積を反映していないと診断された者
      • BMI(次の算式により算出したものをいう。以下同じ。)が20未満である者 〔 BMI=体重(kg)/身長(m)2 〕
      • 自ら腹囲を測定し、その値を申告した者(BMIが22未満の者に限る。)
    3. 胸部エックス線検査
      40歳未満のうち、次のいずれにも該当しない者

      • 5歳毎の節目年齢(20歳、25歳、30歳及び35歳)の者
      • 感染症法で結核に係る定期の健康診断の対象とされている施設等で働いている者
      • じん肺法で3年に1回のじん肺健康診断の対象とされている者
    4. 喀痰検査
      次のいずれかに当てはまる者

      • 胸部エックス線検査を省略された者
      • 胸部エックス線検査によって病変の発見されない者又は胸部エックス線
      • 検査によって結核発病のおそれがないと診断された者
    5. 血液検査(貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、血糖検査)・心電図検査
      35歳未満の者、及び36~39歳の者

    「労働安全衛生法に基づく 定期健康診断等の診断項目の 取扱いが一部変更になります 」より引用

あくまでも医師の聴診などにより、個々の労働者の健康状態の変化や自覚症状など総合的に観察、勘案した上での判断となります。自己判断で検査項目を省略することはできません。

まとめ

会社で健康診断のことを担当していましたが、新人も入社することもなく定期健康診断ばかりでしたので、詳しいことはよく知りませんでした。

自分の健康状態によって気になる検査をオプションで付けたりもしていますが、基本的には案内されるままに検査してもらっていました。省略ができる検査項目もあるなんて初めて知りました。

とはいえ、医師の判断がないと省略できないとあれば、結局は診察してもらうことになるんですよね。

1年に一度、自分の体をしっかり検査してもらえるチャンスがあるんだから、この時ばかりは時間がかかっても全部の検査をしておきたいと感じます。年齢を重ねればなおさらですが、会社の定期健康診断で病気が見つかった経験があるので私としては本当にありがたい制度だと思います。

今後、検査を省略したいと言う従業員がいたら、全部しっかり検査してもらったほうが安心だよ、と伝えたいと思います。


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