中学校の成績はどう評価されるの?その付け方をチェック!

ある日の早朝、ゴミ出しをしていたら、隣の奥さんが駅の方角から自転車に乗って帰ってきました。

こんな朝早くからコンビニに買い物かな?と思っていたら、そうではなく、中学生の娘さんの忘れ物を駅まで届けに行ったのだとか。

提出物忘れちゃったら成績に大きく響いちゃうからさ~。結構大変なのよね」という返事。えっ?そんなもの忘れたぐらいで減点されちゃうの?

私たちの世代は、テストで高得点を取っていれば、成績安泰だったのにな。今は違うのかしら?なんだか気になったので、調べてみることにしました。


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成績はどのように決まるのか?

中学校の成績の付け方は、5段階、または10段階評価です。評価対象は大きく分けて、生活態度とテスト。この2つを絶対評価方法で判断します。その基準となるのが、観点別評価と呼ばれる付け方です。

観点別評価とは、文部科学省学習指導要領に取り入れた成績評価方法です。以下の4条のチェック項目があり、それぞれにつきABCの3段階で評価します。

  1. 関心・意欲・態度

  2. 授業で積極的に発言しているか。提出物期限を守って提出されているか。

  3. 思考・判断

  4. 結果に対する自分なりの考え方ができているか。テスト理由をのべる設問にそれが発揮されているか。

  5. 技能・表現

  6. レポートノートなどのまとめ方に工夫はできているか。テストでの記述式設問に説得力のある表現ができているか。

  7. 知識・理解

  8. その教科に対して、どの程度の知識を有しているか。

このうち、生活態度に関する観点別評価は、1~3に約8割、そしてテスト4に8割という配分になっています。

つまりテストで高得点を取っているだけでは、成績はアップしないのです。常日頃の勤勉さや教科に対する意欲的姿勢(あるいはそれをアピールすること)が、テストと同じほど重要になってくるのです。

例えば、授業中に居眠りをしたり、レポートなどの提出物を忘れることがあれば、観点別評価でBやCがついてしまいます。それが総合評価につながり、テストの点は良くても成績は3、という結果になってしまうのです。

またテストも、単に高得点を取ればいい、というものではありません。設問はほとんどが4の知識的解答(英語で挙げれば、どれだけ単語や慣用句を知っているか、といった類の解答)ですが、2割は結果理由や経緯を問われる、記述式設問になっています。

例えば、知識的解答が満点だったとしても、残り2割の記述式解答が0点だった場合、結果的にCの数が増えて、成績は下がってしまいます。

要するに観点別評価とは、学校生活におけるバランス力を考慮した絶対評価方法と言えるのです。

絶対評価方法の意義

とは言え、なんだかこの付け方では納得がいかない、学力そのものが軽視されている、と感じられなくもないですよね。

そもそもこの観点別評価という絶対評価方式は、いつから学校生活に採用されたのでしょうか。

文科省によると、学習指導要領で推奨された学校の成績の付け方は、もともとは相対評価だったのだそうです。それが直近の平成10年~11年に改訂の際、絶対評価方法への切り替えに伴って、この観点別評価を取り入れたのだとか。

相対評価とは、クラス学校全体などの集団の中での、順位付けによる成績評価方法です。この方法では、あらかじめ成績1~5を与えられる人数が、その集団の何%という具合に、はっきり決められています。

つまりテストで90点を取っても、仮にクラスの人数が30人で、90点が他に10人いたなら、「5」はもらえない、ということになります。

一方、絶対評価は、集団の人数に成績が左右されることはありません。なぜなら評価レベルがあらかじめ数値化されているからです。例えば、20点以下なら「1」、21~40点は「2」、41~60点は「3」、61~80点は「4」、81点以上が「5」といった具合です。

この方法でいくと、テストで90点を取れば、必ず「5」がもらえます。仮に30人中20人が90点だったとしても、20人に「5」が付く、ということになるわけです。まあこれは極端な例ですが。

要するに、目標をクリアすれば、必ずそれなりの評点がもらえる、というのが、この絶対評価方式のメリットです。そこには個人の頑張りを大きく評価しよう、という意図があります。

そして、その個人の頑張りを、テストという知識だけではなく、学科への取り組み姿勢や独自のものの考え方まで広げて、総合的に評価する、というのが、観点別評価のスタンスなのです。

そこには、自らで考えそれを表現する能力を養う、という「自主的な人間力」を形成する狙いがあります。学ぶ意欲と論理的な思考力、そして知識とが合わさって、初めて「5」が取れる、ということなのですね。

ただ、この付け方デメリットがないわけでもありません。例えば「5」の学力内容が、相対評価と比べて、ややレベルダウンすることは否めません。

つまり、絶対評価による成績は、あくまで目標値をクリアしたもの、と考えるべきで、純粋な学力の判定ではないことを、高校入試の際、頭に入れておいたほうがいいかもしれません。

おわりに

いろいろ調べてみて、隣の奥さんが忘れ物に神経をつかっている理由に、合点が行きました。最近の中学生は、いろいろと大変なんだな~。

旦那にこの話をすると「俺なんか起きてた授業ないよ」という返事。ひえー、ヒドい!かくいう私も、真面目にノート取ったことない…私たちって完全に旧世代だわ。

「でも結局、社会に出るとさ、人とコミュケーション取ったり、約束を守ったりすることが大事になってくるから、若いうちにそういうこと教えとくのもいいんじゃない?」

うーん。ま、そういわれてみればそうかも。やっぱり社会生活って人との関わりですもんね。円滑な人間関係の作り方を学ぶのも、知識以上に大切なのかなあ、と思いました。


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