ゴミの分別って意味ないの?リサイクルだけが理由じゃない!

確か私の子供の頃は、家庭で出た燃やすことのできるゴミは、庭先で燃やしていた記憶があります。選定した庭木の枝や紙くずを焚き木にして、父と焼き芋を作ったこともあったっけな。その時代、それが当たり前で何の疑問のなかった時代でした。

それがいつしか、ゴミは決められたようにしっかり分別して、ゴミ集積所に出すようになりました。今ではゴミを分別するのは当たり前のことですよね。

というのも、ごみを分別しなければならなくなったその当時、燃やしてはいけないゴミによって大気が汚染されたり、有毒物質が発生したりすることがわかってきたからなんです。子供の頃、そう親に教えられた記憶があります。

しっかり事細かく分別してゴミを出すことは、日本では今や基本中の基本になっています。しかし、ゴミをここまで細分化させて分別することにどんな意味があるのでしょうか?一方、ごみを分別するのは意味がない、と提唱する人もいると聞きました。

果たして、本当のところはどうなんでしょうか?ゴミの分別について詳しく調べてみましたよ。


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どんな理由でごみを分別するのか?

日本の経済が著しく発展して長く好景気が続いた高度成長期の1955~1970年代頃、ゴミを分別する基準は「燃える」か「燃えない」かでした。燃える物だったら、同じゴミ袋に入れて出してもいいのが当たり前だった時代でした。

お湯を注ぐだけ、という画期的な食べ物「カップラーメン」が登場したのが1970年代後半。この頃の日本では、流通する商品のパッケージなどにはプラスチック製品が多く使われるようになりました。

プラスチックは燃やすことができても、その時に発生する有害物質が健康に被害を与える懸念がありました。今までのように、燃えれば何でも燃やしてしまえ、とはいかなくなったんですね。

また、増え続けるゴミに対してゴミ処理場が追いつかないことへの懸念、資源の乏しい日本は資源を再利用していかなければならないこと、などゴミに対する心配事が次々と噴出していきました。

ゴミを分別する理由はリサイクルするため?!

このようなゴミと環境の問題を解決するために、1991年のリサイクル法が制定され、年を追うごとに物を捨てることに対する決まりがどんどん増えていったんです。

本来、ゴミを分別しなければならない理由とは、リサイクルできるものを家庭で認識し、分けて出すことでその後の再利用作業をしやすくするため、と言えるんです。

しかし、リサイクル法が制定されて四半世紀、ゴミの分別やリサイクルに関して様々な実情が見えてきているのが現状なんです。

ゴミの分別への疑問

リサイクル法と共に、社会でもしっかりと根付いてきたゴミの分別ですが、世の中では分別することへの疑問の声も持ち上がってきているんです。分別されたゴミって、どんな処理をされているのか、ほとんどの人は知らずに過ごしているのでは?

例えば、生ゴミやペットボトルはどのように処理されているのでしょう。詳しく見てみましょうね。

生ゴミの処理方法

昔は、生ごみは畑の肥料になるため、土に埋めておいたりして処理をしていました。土に還り食物の栄養となる連鎖は、再利用の代表格ですよね。しかし、現在では生ゴミにも有害物質が含まれている可能性があるんです。

今では、完全に有害物質を取り除くことができないので、肥料として再利用することは叶わず、分別された生ゴミは全て焼却処分されています。

ペットボトルの処理方法

ペットボトルと言えば、リサイクルの代名詞です。集められたペットボトルは、再びペットボトルに再利用される、というイメージが強いものですよね。

しかし、一度使用してゴミとして回収されたペットボトルは、再度ペットボトルとして再生するのは難しい、と言われているんです。実は、ペットボトルは劣化しやすく、再生するよりも一から石油をペットボトルに加工する方が安上がりなんだとか。

環境のため、石油を使わないようにリサイクルする目的があったにもかかわらず、再利用によってコストがかかってしまうのは何とも皮肉なことですよね。

とはいえ、今までのエコ活動の賜物なのか、元の生産量が増加しているのか、ペットボトルの回収率は年々上昇しています。またペットボトルの再利用化の割合は、指定ペットボトルの販売量から割り出すと85%ともいわれています。

しかし、その半数はそのまま海外向けに輸出されているのが実態なんです。それが再利用とは言えるのかどうか、といったところですよね。

リサイクルされずに焼却されている?!

先にも述べたように、一度使用したペットボトルは再生するのが難しいため、ペットボトル以外の物にリサイクルするために粉砕しチップ状にしてみても、異物が残ってしまうことが多く、そのまま廃棄されることが多いんだそう。

結局は焼却してしまいます。水気の多い生ゴミを燃やすために、石油からできているペットボトルを一緒に入れることで燃えやすくなる、と言った話もあるほど。

環境ホルモンやダイオキシンと言った有毒物質が騒がれた当時は、焼却炉自体も高温での処理能力が乏しく性能が低く、プラスチックは燃やすと嫌な臭いを発したため有害だと言われてきたんです。

現在までダイオキシンの被害がほとんど出ていないことから、ダイオキシンの発生源自体が、間違った情報として闊歩したのではないか?という説も出てきているんですよ。

どうせ一緒に焼却処理されてしまうのなら、初めから分別する意味ない!と思いますよね。面倒臭い分別をしても、結局は同じ焼却炉に入る運命なんですから。

じゃあどうして分別するのか?

ゴミの分別方法については、同じ県内であっても差があります。私も経験が何度もありますが、引っ越した先でのゴミの分別方法が違うので戸惑うこともありました。

実は、ゴミを分別することは、リサイクルだけの問題じゃないんですよ。その地区の管轄のゴミ処理場の設備の規模と、人口の多さが関係しているんです。

プラスチックや白色トレイを可燃ごみとして分別できる地域のゴミ処理場は、最新式で高温処理ができるため有害ガスの発生もありません。また、焼却した時に発する熱エネルギーを利用できる設備が備わっていることが多いんですよ。私の住むところでは、焼却場の熱を利用して室内温水プールが作られました。

さらに、人口の多い大都市部では、ゴミの量が大量になることと分別を細分化させることで収集時に手間がかかるデメリットが生まれます。そのために、分別を細分化せずに収集することが多いんですよ。

しかし、人口が少なくゴミの量も比較的少ない地域では、焼却場の機能が低く高温で燃やすことができないものを使っている場合が多いため、燃やすものによっては有害ガスが発生する場合もあります。そのため、ゴミの分別は細分化して作業をしやすくしているんですよ。

日本全体が同じ条件でゴミを分別していないのは、こんな理由があるからなんです。ゴミの分別にはちゃんと意味があるんですね。

まとめ

ゴミの分別は、一緒に燃やしてしまう場合もあることを知れば、結果的には意味のないものに思える場合もあります。しかし、リサイクル率がどうのという前に、まずはゴミを減らすことが私達のすべきことなのではないのかな、と今回調べてみて感じました。

私たちは、暮らしている地域のゴミの焼却設備のことをどれだけ知っているのでしょう?恐らくそこまで関心を持って暮らしている人は、少ないかと思います。

さらに言うと、燃やした後の処理のことも知っておかないと、将来日本はゴミに泣かされることになりそうです。現在日本にある焼却炉は、全国に1,900ヶ所ほどあります。実はその数、世界の焼却炉のうちの約70%の数が日本に存在していることになるんです。

焼かれる前のゴミの1/20の量の燃えカスとなりますが、それは山奥などに埋め立てて処分しています。2,000ヶ所近くある焼却炉の焼却灰を埋め立てる土地は、この狭い日本に永遠にはありません。

ゴミは捨てて自分の目の前からなくなればもうおしまい、という気持ちになりますが、本当はそこから先が自分たちに降りかかってくる問題なんだ、と感じました。今一度、ゴミについて考えるきっかけになりました♪


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