オーガニック野菜ってどういうもの?その定義を知っておこう!
近所の奥さんが、田舎の実家から送ってきたトマトお裾分けしてくれました。その奥さんの実家は、農業をやっているのです。
「6年ぐらい前からオーガニックをやっていて、このトマトもそうなのよ」というお話。オーガニック?よく耳にしますが、どういう野菜?
なんとなく体に良さそう、ぐらいのイメージしかありませんでしたが、いい機会なのでちゃんとその定義を知っておこう、と思いググッてみることにしました。
オーガニックとは?
オーガニックとは直訳すると「有機体の、有機の」という意味になります。そこから転じて、主に「従来の農薬、化学肥料を使わない、できる限り自然生成に即した栽培方法」という意味として使われています。
それだけ聞くと「体に良い安全な食物作り」という定義しかイメージできませんが、実はオーガニックにはもっと広い意味があります。
IFOAM(国際有機農業運動連盟)という国際組織が定めている、オーガニックの目標・意義は、主に下記の4項目です。
- 環境や生態系を守る
- 健康的な生活を守る
- 自然とともに生きる
- 地域文化を守る
- 健全な社会活動を実現する
単に食物だけではなく、広く社会に影響を及ぼす、包括的な見地でオーガニックという概念を捉えています。これは近年話題にされるSDGs(持続可能な開発目標)ともリンクしていると言えるでしょう。
オーガニック野菜の定義
市場に流通している野菜は、大きく3つに分類されます。「有機野菜」「特別栽培野菜」「慣行野菜」です。
このうちの「有機野菜」がオーガニックに該当します。それではそれぞれの定義を見ていきます。
有機野菜(オーガニック)
野菜を育てるためには、害虫を駆除するための農薬と、野菜の栄養分となる肥料が必要です。この農薬と肥料が化学合成品を用いず、すべて天然由来の自然生成物であること、これがオーガニックの条件となります。
オーガニックという言葉はいろんな広告媒体で見かけますが、商品にラベル貼付で表示できるものは、農林水産省の厳しい認定が必要となります。その認定条件は以下の4点です。
- 野菜を育てる場所が、最低2年間、化学合成の農薬や肥料を使用していないこと
- 野菜を育てる際、化学合成の農薬や肥料を使用しないこと
- 隣接した農地および使用する道具から、化学合成の農薬や肥料が混入しないこと
- 遺伝子組み換えによる栽培は行わないこと
これらの条件をクリアするとJAS規格に認定され、商品に下記のJASラベルを貼付することができるのです。
化学合成品を一切使わない栽培は、それなりに困難を伴います。栽培にも手間暇がかかり、大量生産もできません。そのため、オーガニックは普通の野菜に比べて価格が高くなりがちです。
ただ、自然のものだけで生育しただけあって、美味で栄養分が高く、身体に対しても安心感があります。また栽培過程においても、天然の農薬や肥料を使っているため、自然環境を損なうことなく、自然との共生を実現しているのです。
特別栽培野菜
ひと昔前に無農薬、減農薬という表現がありましたが、これが特別栽培野菜にあたります。ただ、これらの表現はオーガニックと混同して、すべて天然、という誤ったイメージを消費者に与えがちです。
そのため、農林水産省では無農薬、減農薬などのまぎらわしい表現を禁止し、その代わりに「特別栽培農産物」という新しいカテゴリーを作り、化学合成品の農薬、肥料の使用率が50%以下であることを義務付けました
オーガニックほどではありませんが、これも体に優しい栽培です。
慣行野菜
私たちが普通に摂取している普通の野菜です。化学農薬を使用し、肥料も自然由来の堆肥ではなく化学肥料を使って生育をよくし、形を整えています。
手間もかからず大量に栽培できるので、気候変動による不作さえなければ安価で手に入ります。また形や色が均一にキレイに揃うため、店頭に出したとき見栄えもしますが、味や安全性はやはりオーガニックには劣ります。
おわりに
いままでスーパーの特売チラシとにらめっこして、安さばかりを追求してきた私ですが、いただいたトマトを食べて、オーガニックの素晴らしさに目覚めてしまいました。
いやもう、なんといっても美味しい!瑞々しいし、何より甘い!
そうたびたび高価なものを買う余裕はないけれど、これからはたまには贅沢して、体にいい美味しい野菜を買ってみてもいいかな、と思ったのでした。