愛してると好きだよの違いはどこにある？
結婚してもうすぐ20年の私達夫婦にとって、今さら「愛してる」とか「好きだよ」とかの言葉は、久しく聞いていないし言えてもいません。もうそんな言葉は恥ずかしいんだもの、言わなくたっていいでしょ。
たぶん、夫の方が若い頃からそういう言葉はほとんど発してなかった気がします。じゃあ、いつそれ言うんだろう、と思うこともありますが、若かりし頃は、私の方が「好きだよ」「愛してる」の言葉が聞きたくて仕方なかった時期もあったものです。
どうして、あんなにその言葉にこだわったんでしょう。今となっては・・・の感情です・・・。
「好きだよ」「愛してる」の言葉の意味の違いって、何なのでしょう。年月を過ごした今なら、なんとなく自分の中ではわかる気がするのですが、明確な違いを説明してと言われると難しいですよね。ふと思ったので調べてみました。
愛してると好きだよの違い
愛してる＝「愛」好きだよ＝「恋」という捉え方をすることがあります。
言葉の意味的には、恋とは誰か特定の人に思慕の思いを抱くこと、一緒に居たいと思うことを言います。一方、愛とはかわいがること、慈しむこと、大事なものとして思いやり合うことという意味になります。
でも、一般的に考えて「好きだよ」よりも「愛してる」の言葉の方が、深い気持ちであることは何となくはわかりますよね。ただ、うまく説明がつかないものです。
一体何がどう違うのか、詳しく見ていきましょうね。
好きだよは相手に求める気持ちが強い
「好き」という気持ちは、自発的に生まれてくる感情だと言われています。中には、一目会ったその時から一瞬で好きだよと思える人もいます。
恋をすると、ドキドキして今までの生活が輝いて違って見えることあります。またその反対に、思い通りにならないことに辛い思いをすることもありますね。この気持ちはとても非日常的で、ある日突然舞い降りるようなこともあります。
誰かを好きになると、好きになった相手にも自分を好きになってもらいたい気持ちが生まれてきます。そして、「好きだから～したい」「好きだから～して欲しい」という欲求が起こります。
彼氏の喜ぶ顔が見たいから手作りの料理を作ることなど、一見相手に思いを与えているようにも見えるのですが、実は彼氏が喜ぶかどうかはわからない部分もあります。自分の中の「彼氏が喜ぶ顔を見たい」という欲求を満たそうとしているんですね。
「恋とは奪うもの」と表現したシンガーがいましたが、つまり、自分の抱く強い好意によって相手に対して欲求が起こります。相手と同じ時間、物、思いを共有したい気持ちが「好きだよ」につながるんですね。
愛してるは無欲に相手に与え救うもの
一方、愛は恋とは違ってある日突然降ってくるような感情ではありません。「愛してる」と言える時までに、十分に相手を理解し関係性を育くんだ結果に生まれるものです。
小さな感情が芽生えてから、ゆっくりと時間をかけてお互いを思いやり大きくなる気持ちが「愛してる」なんです。
不思議なものですが、人を愛することは「その人のすべてを受け入れる」ことで、「～が好きだよ」という限られたポイントで相手の良し悪しを判断していません。「愛してる」のイメージは、モヤモヤした大きな塊ごとが大事で愛おしくて、困っているならどうにかしたいという気持ちになるものです。
先程「好きだよ」は自分の欲求を満たす行動をすると述べましたが、「愛してる」の場合はその行動をすることによって自分に見返りを求めません。相手からの感謝も喜びも必要としていないのが愛なんですね。
我が子に対する思いのことを、無償の愛、無条件の愛と言い表すことがあります。日々親があれこれ世話を焼くのも、子から常々感謝されたいからしている訳ではありませんよね。
子供が抱く親への愛も同じで、どうにもダメな親で至らない部分もあるけどどうしても嫌いになれない、これも家族への愛、愛してるになります。
かの文豪、夏目漱石は「I love you」を、私はあなたを愛しています、と訳さずに「月がきれいですね」と訳しました。この意味とは、同じひとつの月を二人で見てきれいだと心を通わせ共感すること＝愛してるを表しているんです。相手と一緒に心に寄り添い、同じ方向を見ることが「愛してる」ということなんですね。
まとめ
愛って深いものですね。見返りを求めない気持ちで行動を起こせる相手に対して生まれるのが「愛してる」なんですね。
「愛してる」って付き合っている相手に言われた時、「ん？わたしはあなたに対して抱く感情がちょっと違うわ。」と感じてしまうなら、まだまだお互いの気持ちが愛に到達していないことにもなるんでしょうかね・・・。
もう私の場合、夫から「愛してる」と言われなくてもたぶんいいんだと思います。言われなくても大体はわかってますから、お互いにね、というところでしょうか。
でも、時間が恋から愛に変える、というのは実感しています。夫の欠点に対して、私自身が以前よりも丸くなった対応ができるようになりました。それも含めてこの人なんだなあ、と。
付き合って間もないカップルが違いを知ったら、簡単には「愛してる」とは言えなくなっちゃいますかね。愛に到達できるまで、お互いを良く知ることは大切ですね。