風邪はどうやって移るの!キスはNGって本当?
勤め先の会社の会長さん、いつもは超元気なスーパーシニアなんですが、今日はやや風邪気味のようすで、少し咳き込んで元気がありません。
よくよく聞いてみると、今朝、ふざけてお孫さんにチューってキスしようとしたら、「風邪が移る!ダメ!」って、お嫁さん(お孫さんのママさん)に怒られてしまったんだとか。
ありゃーそりゃ、気の毒に。
お孫さんはまだ小さいので、お嫁さんが心配する気持ちもわかりますが、お孫さんが可愛くてしょうがない会長さんにとっては、風邪よりキスNGのほうがショックだったみたい。
それにしても、風邪って不思議。
どうやって移るのか、用心しているつもりでも、どっかからもらってきちゃうこともあるし。
風邪がどうやって移るのか、ホントにキスはダメなのか?
興味があったもんで、いろいろ調べてみました!
目次
そもそも「風邪」って何なの?
風邪って身近な病気ですが、その実態は、なかなかやっかいなもののようです。
基本的には、風邪の原因となるウイルスが体の中に入り込んで増殖し、頭痛、喉の痛み、くしゃみ、鼻水、咳など様々な症状を引き起こす、という、そういう状態のことを「風邪」と呼んでいます。
細菌や特定の病原菌による感染の場合もあるそうですが、風邪の9割以上は、ウイルスが原因なんだそうです。
で、そのウイルスが曲者。200種類以上もあるらしい。
体内に入り込んだウイルスによって、症状も異なってくるんだとか。
さらに、感染した人の体力が疲れや寝不足などで落ちていたり、小さいお子さんやお年寄りなどもともと体力のない人の場合は、重い症状が出ることもあるのだそうです。
たしかに、風邪ひかない人って、いますよね。
おそらく免疫力が高いとか、普段からうがいや手洗いをしているとかで、そういう人の場合はウイルスが入り込みにくいんでしょう。
「風邪ウイルス」と「細菌」って違うの?
ところで、ウイルスと細菌の違いって、ちょっとわかりにくいんですが……。
細菌は細胞を持つ微生物(単細胞生物)なので、外部から栄養を取り、自分自身で増殖していきます。
一方、ウイルス遺伝子構造を持っただけの生物なので、自分自身では増殖することはできず、細胞を持つ生物(人間とか)に入り込んで増殖します。
大きさも、1万分の1ミリから10万分の1ミリと、細菌よりかなり小さい(細菌は千分の1ミリくらい)。
当然、肉眼では見えないし、一度体内に入り込まれると非常にやっかいな存在になります。
風邪ウイルスはどうやって移るの?
そんな曲者・風邪ウイルスたち、どうやって体内に入ってくる(移る)んでしょうか?
ウイルスが体に入り込む入り口は、口や鼻など粘膜のある場所。
おもなルートは4つあると言われています。
接触感染
風邪ウイルスがついたものを手で触り、その手で口や鼻を触ることで、そのウイルスが体内に入り込みます。
飛沫感染
風邪ウイルスを持った人がくしゃみや咳をすることで、ウイルスが含まれた唾液が飛び散り、まわりの人がそれを吸い込んでしまって、そのウイルスが体内に入り込みます。
飛沫核感染(空気感染)
飛沫感染と基本は同じですが、飛び散った唾液がもっと細かい粒子となって空気中を漂い、その空気を吸い込むことで感染します。
経口感染
ウイルスがついたものを直接口に入れたり、鼻に詰めたりすることで、ウイルスが体内に入り込みます。キスで移る、というのは、まさにこれですね。
結局のところキスで風邪は移るの?
答えは”YES”ですね。
口から入り込む・唾液で広がるのが基本的な感染ルートなので、キスで移るのは当然と言えば当然。
「別に自分は風邪移ってもいいや。寝てりゃそのうち治るし」とか、そんなこと考えてはいけませんよ。
ウイルスは自分自身で増えるわけではなく、人の細胞に入り込んで増殖します。
で、増殖したウイルスが、自分が触ったものにくっついて、他の人に広がっていってしまうとしたら?
ウイルスがどんどん広まっていってしまうことになりますよね。
風邪をひいている間は、スキンシップは控えて。
うがい手洗い、マスクをする、人混みは避ける等々、ウイルスが広まらないように気を配りましょう。
まとめ
風邪気味だっていうのに、お孫さんとキスしてスキンシップをはかりたがっていた我が社の会長さん。
夕方もう一度お見かけしたときは、どうやらお嫁さんに説き伏せられたらしく、マスクをして病院に行って来たそうです。
早く風邪を治して、お孫さんと遊ぶのはそれから、ってことで、落ち着いたみたい。よかったよかった。
大切な人に風邪を移さないように、風邪があっちこっち広まらないように、気をつけたいものですね。