王道ボクシング漫画といえば「はじめの一歩」!さてそのモデルは?

ある休日、旦那がボクシング名勝負のDVDを見ていた時のことです。「あ、リカルド・マルチネスだ」と呟いたのを耳ざとく聞きつけた私。

リカルド・マルチネスとはボクシング漫画「はじめの一歩」に出てくる、無敗の世界チャンプのこと。えっ、この人って実在したの?

「違う、違う。正確には、リカルド・マルチネスモデルになった人だよ」

なんだ、ビックリした~。聞けば、「はじめの一歩」のキャラ達はみんな、モデルになったボクサーがいるのだそうです。そりゃそうですよね。そうでないとリアリティが出ませんものね。

しかしそう言われると、「はじめの一歩」ファンの私としては、モデルになった実在のボクサーが気になるところ。そこで、一緒にDVDを見ながら、誰がどのモデルなのかを、旦那に解説してもらうことにしました。


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「はじめの一歩」の魅力

いまさら説明の必要もありませんが、「はじめの一歩」とは、週刊少年マガジンで連載中の、本格ボクシング漫画です。作者は森川ショージ氏。

内気で消極的な高校生、幕之内一歩が、ボクシングを通して大きく成長していく姿を描いた、王道スポーツものです。とにかく試合の描写が白眉で、スピード感と臨場感に溢れ、かつドラマチックな展開で読者を作品世界に引き込んでいきます。

そして何よりこの作品の素晴らしいところは、主人公・一歩の試合のみならず、脇役どうしの試合までもが丁寧に描写されているところでしょう。さまざまなボクシングを描きたい、という作者の情熱が伝わってくるようです。

実際、作者の森川氏は、登場人物全員が主人公、と言っているそうです。その森川氏自身がボクシングジムのオーナーである、ということからしても、「はじめの一歩」は、ボクシング愛に満ちたボクシングファンのための漫画、と言えるかもしれません。

そんな作品に出てくる登場人物ですが、これが一クセも二クセもある、個性的なキャラ揃い。主人公の一歩が、正統派好青年なだけに、脇役の濃さが際立っています。先輩、同僚、ライバル、コーチ、とにかくみんな濃ゆいです(笑)

しかしこれは、帰って一歩の正統派ぶりを浮き彫りにする効果もあるようです。純朴で真面目でちょっと内気な好青年。それがリングに上がると人が変わったように戦闘的になってしまう、そこがこの作品の最大の魅力とも言えるのではないでしょうか。

モデルとなったボクサー

ではどのキャラにどんな実在のボクサーモデルとなっているのでしょうか。とにかく長い漫画なので、全員挙げるとキリがないため、主要キャラだけを抜き出してみたいと思います。ちなみに()内が、「はじめの一歩」のキャラ名です。

  • マイク・タイソン(幕之内一歩)
  • マイク・タイソンは、史上最年少(20歳)で世界ヘビー級チャンピオンとなった、伝説のボクサー

    相手をガードごと吹き飛ばす破壊力のあるパンチと、敏捷性に富んだディフェンスを駆使して、デンプシーロールで接近戦に持ち込み、体重の乗ったパンチで相手をKOにしとめます。

    まさにパワーとスピードを兼ね備えた天才ボクサーです。これぞまさしく幕之内一歩

  • リカルド・ロペス(リカルド・マルチネス)
  • リカルド・ロペスは、ミニマム級ライトフライ級の2階級にわたって王座に君臨した、メキシコのボクサー。プロの生涯戦績は52戦、51勝、37KO 、1引き分けという驚異的な数字で、まさに無敗の王者です。

    基本に忠実なボクシングスタイルながら、そのパンチの正確さは群を抜いていて、メキシコ人ボクサー特有の伸びるパンチで、的確に相手の急所をついてきます。

    スピードのある華麗なフットワークで、ディフェンスオフェンスともに完璧な動きを見せるロペスボクシングは、すでに芸術的と言えるかもしれません。

    はじめの一歩」のマルチネスのクールな戦いぶりにも、そのあたりが反映されているようですね。

  • ロベルト・デュラン(鷹村守)
  • パナマのボクサーロベルト・デュランは、「石の拳」の異名を持つ、破壊力抜群のインファイターパナマの英雄と呼ばれたボクサーです。

    ここぞというタイミングの接近戦で、強烈なパンチを雨あられと浴びせかけ、相手をノックアウトする、ファイティングスピリット溢れる戦いぶりは、まさに鷹村を彷彿とさせます。

  • ナジーム・ハメド(ブライアン・ホーク)
  • ナジーム・ハメドはイギリス国籍のイエメン人。各プロ団体のフェザー級王座を総ナメにしたボクサーです。

    ボクシングスタイルはかなり奇抜で、腕をだらりと下げたノーガード状態で相手を挑発しながら、パンチが飛んでくると、軟体動物のように軽々かわしてしまうという、天性の反射神経動体視力を持っています。

    また、かわした姿勢から相手にダメージを与えるパンチを繰り出せる筋力の持ち主でもあります。正統派からは程遠い独自のファイティングスタイルで、好き嫌いは分かれるものの、天才的な輝きを放つボクサーと言っていいでしょう。

  • シュガー・レイ・レナード(宮田一郎)
  • シュガー・レイ・レナードは、モントリオールオリンピックの金メダリスト。鳴り物入りでプロに転向し、その後も順調に勝ち続け、WBC世界ウエルター級王者にまで一気に駆け上がった、エリート街道まっしぐらのボクサーです。

    俊敏なフットワークから繰り出される、ジャブブロー高速スピードたるや、他の追随を許しません。まさに華麗の一言に尽きる、ボクシングセンスの塊のような選手と言っていいでしょう。

あと、その他の主要キャラモデルも羅列しておきます。

  • 尾崎富士雄(伊達英二)
  • 赤井英和(千堂武士)
  • ユーリ・アルバチャコフ(ヴォルグ・ザンギエフ)
  • トーマスハーンズ(間柴了)
  • オスカー・デ・ラ・ホーヤ(デビットイーグル)
  • おわりに

    いやー、旦那の微に入り細にうがった解説を聞くにつけ、「はじめの一歩」の登場人物たちのモデルって、有名ボクサーのオンパレードで、ため息ものです。

    でもこれ、あくまでボクシングスタイルモデル、ってことで、生い立ちや私生活は別のようです。例えば作中ではヒール役のブライアン・ホークのモデル、ナジーム・ハメドは、「プリンス」って呼ばれていましたからね。

    はじめの一歩」の魅力は、実在の人物をうまく参考にしながら、ボクシング漫画というフィクションにリアリティを吹き込んでいる点にあるのだなあ、と改めて実感しました。ますますファンになっちゃいましたよ。


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