傷口に消毒液はNG?痛みがなく痕が残りにくい治療方法とは?

スケートボードで転んで、
ひじに擦り傷をつくって
帰ってきた小3の息子。

傷口は血が滲んで、砂や
汚れもついて痛々しい。

気丈にも痛くないと言いますが、
「母ちゃん、消毒液塗るの?」

と、私が薬箱を持ってきた途端に、
息子は、みるみる涙目に。

傷の痛さよりも、消毒液が
しみる痛さの方が怖い様子です。

確かに、子供の頃転んだりしたら、
保健室の先生は、

「はい、消毒したからもう平気。
子供は傷をつくって、たくましく
なるのよ。強くなぁーれ。」

と言いながら、ぽんぽんヨードチンキ
容赦なくはたき、傷口が朱色にそまり、

そこには、大きなガーゼ
あてがわれたものです。

それでもって、ガーゼ交換の時は、
傷口に張り付いていたから、
剥がすのが痛かった記憶が。

でも、その方法って、本当に
正しいのでしょうか?

サッカークラブに通う同級生の
ママ友が、

「最近は擦り傷には
消毒はしないんだよ、

傷口は潤して治す湿潤療法
すると、治りが早いし、
痕が残りにくいらしいよ。」

という話をしていたのを
思い出しました。

そこで、傷口に消毒はNGなのか?
そして湿潤療法とはどんな治療法
なのか
を調べることにしました。


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傷口に消毒&ガーゼがNGな理由とは?

消毒とガーゼを傷口にあてて
乾燥させて治す治療法は、
未だに根強いものがあります。

湿潤療法は、これとは真逆で、
消毒はせずに、傷口を乾燥させず
潤して治す方法です。

傷を治す場合、最近はこちらの
湿潤療法へとシフトしている
傾向にあります。

では、なぜ消毒とガーゼがNG
なのでしょう?

消毒がNGの理由

まず、なぜ消毒しては
いけないのでしょうか?

消毒液が、細菌より傷口部分の
体の細胞を破壊させるからです。

細胞が破壊されると、浸出液の
中の、傷を修復しようとする
細胞成長因子も壊れることになります。

傷口部分の体の細胞を守るため、
消毒はせず、傷口を水道水
洗い流して異物を取り除きます。

ガーゼがNGな理由

次に、ガーゼを当てては
いけない理由は何でしょう?

  • 浸出液を吸い取る
  • 傷口を治すのに必要な浸出液を
    吸い取り、傷口の細胞を乾燥させ
    死なせてしまうからです。

    傷口からしばらくすると、
    浸出液が出てきます。

    この液の中に、水分や細胞成長因子
    など、壊れた細胞を再生させる
    大切な成分が含まれています。

    傷口にガーゼを当てると、
    細胞を再生させる必要成分が
    ガーゼに吸い取られ

    結果、細胞は再生できずに
    死んでしまいます。これが
    かさぶたです。

    かさぶたは、本来の表皮細胞
    が再生するのを妨げるので、
    なかなか傷口が元通りになりません。

    「かさぶた」=「傷が治った」
    ではなく、

    「かさぶた」=「細胞成長因子が
    吸い取られて細胞が死んでいる

    ということになります。

  • 表皮細胞をはぎ取る
  • 再生しかけた表皮細胞を、
    ガーゼがはぎ取ってしまうからです。

    ガーゼが傷口に張り付いてしまうので、
    交換時に、せっかく再生しつつあった
    表皮細胞が、取られてしまいます。

    当然痛みも感じます。
    また、いつまでも表皮細胞が
    再生できません。

湿潤療法とは?

消毒とガーゼがNGな理由が
分かったところで、湿潤療法とは
どんな方法か見てみましょう。

湿潤療法の特徴

傷口に付着した砂などの異物や、
水ぶくれの破れた皮などの
壊死組織を取り除きます。

水道水で十分洗浄し、傷口から
出される浸出液で傷口を潤して
皮膚の再生を促す方法です。

浸出液には重要な成分が
含まれているのは、先に
ご紹介した通りです。

傷口をこの成分で満たすために、
ハイドロコロイドなど
浸出液をゲル化させる

ドレッシング材を傷口に
あてます。

ドレッシング材とは、傷口を
浸出液で潤すために蓋をする
役目をします。

バンドエイド等でもこのタイプの
ものが市販されてきています。

身近なもので、家庭用の食品ラップ
ドレッシング材として、傷口にあてる
方法もあります。

湿潤療法の手順

では、実際の手順を見てみましょう。

  1. 傷口を水道水で優しく洗う

    傷口に異物や壊死組織があると、
    化膿する原因となります。

    消毒はしないので、丁寧に
    取り除きましょう。

  2. 傷口にドレッシング材を貼る

    ラップをドレッシング材として
    使用する時は、テープなどで
    固定します。

    より保湿効果を高める目的で
    ワセリンを塗ってラップを
    被せる方法もあります。

  3. 傷を受けてから4、5日間
    毎日、傷口の水道水洗浄と、
    ドレッシング材の交換をする

    あせも防止の為、一日に2、3回の
    洗浄と交換が望ましいようです。

浸出液が出なくなれば、
ドレッシング材で傷口を
覆うこの治療は終了です。

まとめ

傷口の水道水洗浄と、ラップと
ワセリンの交換を頑張って
続けた結果、

息子のすり傷も、痕も目立たなく
治ったようです。確かに、
思ったより治りも早かったような。

今までは、かさぶたが出来る度、
かゆくて剥がしてた息子。

「剥がしちゃダメでしょー!」
なんて怒ってごめんね。

昔の保健室に、ラップは
なかったなぁ、と傷治療にも
時代を感じました。


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