ガソリンが給油中に漏れてしまった!運転しても大丈夫?

買い物帰りに、セルフのガソリンスタンドで今更ながら、初めての給油。目を離さず給油していたのに、いきなりガソリンが漏れてしまい、私の服や車の給油口付近はもちろん、ボディやタイヤにもかかってしまいました。

あわてて、スタンドのスタッフさんを大声で呼んで、濡れているとおぼしき所は拭きました。その間にガソリンは乾いたようには見え、スタッフの方も大丈夫!と言ってくれたので、とりあえず帰宅したのですが。

今回は、帰宅まで5分ほどだったのですが、例えばドライブ途中で帰宅まで1時間以上かかる、等といった場合、運転しても大丈夫だったのかな?と心配になったので、危険物取扱者乙4の資格を取るべく勉強している弟に聞いてみました。


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ガソリンってどんな燃料なの?

弟に一部始終話すと、開口一番「ガソリンは引火点が低いから危険なんだよ!」ですって。引火点が低いから危険って、どういうことなんでしょう?

引火点と燃焼範囲

ガソリンを含む、灯油や軽油などガソリンスタンドで扱われる燃油は、引火性がある液体の為、6種類ある危険物の中でも第4類の『引火性液体』に分類されています。

引火性がある、というのは火の素があれば燃焼する性質がある、という意味です。

弟の話をまとめると、問題は引火点と燃焼範囲と発火点と点火源、いわゆる火の素、この4点がポイントだそうです。

  • 引火点の温度が低いほど、引火しやすい。
  • 燃焼範囲の下限が低く、また範囲が広い燃油ほど燃焼しやすい。
  • 引火点と発火点は、全く異なる。
  • 極めつけは、点火源。
  • と、続ける弟。

    でも、ガソリンを給油した時は必ずエンジンは切ったし、ましてやライター等の火の類は手にしていませんでした。

    そう!引火点とは、点火源で発火し始める温度ではなく、引火性液体がその油面から燃焼するのに充分な濃度の蒸気=可燃性蒸気を、発し始める温度なのです。

    引火性液体は、引火点を超えると可燃性蒸気(ガソリンの場合はガソリン蒸気とも言われます)を発生させます。それが空気と混ざり、そこに点火源が加わると引火、つまり燃えだすんです。

    ただ、その可燃性蒸気と空気の混合比率が濃いほど燃えやすいかというとそうではなく、濃すぎても燃焼しません。燃焼は、燃油それぞれの、可燃性蒸気と空気との一定の混合比率の範囲=燃焼範囲の中で起きる現象です。

    その範囲がガソリンの場合は広いから危険、という訳なんです。

    発火点と点火源

    因みに、引火点と勘違いされやすい発火点とは、点火源がなくても空気中で自然に発火する温度のことです。但し、点火源はガソリンスタンド内で言えば、ライターやタバコの火だけとは限りません

    静電気も、充分な点火源になり得るんです。静電気による小さな火花がガソリン蒸気に引火して、火災が起きた事例も実際にあります。静電気除去シートがあるのは、体に溜った静電気を取り除く為なんですね。

    ガソリンの性質を分かりやすくまとめてみると、ガソリンとはこのような燃油なんです。

    引火点 燃焼範囲 発火点
    -約43℃ ガソリン蒸気1.4~7.6%:空気98.6~92.4% 約300℃

    ガソリンは常温で、既に引火可能な可燃性蒸気を発しているんですね。この時点で、いかに取扱いに注意が必要かが分かります。

    因みに、家庭でよく扱う灯油の引火点は40~60℃ですが、ポリタンクを屋外の直射日光が当たるところや、閉めきった車内に放置するのは危険です。

    給油中に気をつけたい事

    これはセルフのガソリンスタンドで、実際におきた火災の例です。経過を追って、間違い探しに挑戦してみてください。

    1. 車を正しい位置に停め、エンジンを切った
    2. 運転席下にあるスイッチを押し、給油口カバーを開けた
    3. ドライバーが車を降り、運転席側のドアを閉めた。
    4. スタンドのスタッフが、給油口カバーを大きく開いた。
    5. ドライバーが給油キャップを4分の1くらい回したところで出火。

    この事例では、給油キャップを開けてもいないのに、火災が起き、車両の給油口付近が焼け、ドライバーも軽度の火傷を負っています。もちろん、ライターなどの火気は所持していません。何が間違っていたんでしょう?

    そうです!給油前に、静電気除去シートに触れていなかったんです。結論としては、給油前、給油口のキャップを緩めた際に、漏れだしたガソリン蒸気に静電気が点火源となり引火した、と考えられています。

    しかも静電気除去シートは、素手で触らないと意味がありません。冬などは、手袋をはめている事が多いですが、手袋をはめたままだと、体内の静電気が完全に放電しないことが多いんです。

    そう言えば、私も手袋をはめたまま、除去シートに触ったかもしれません。

    おわりに

    弟の話から、ガソリンが万一、ボディや給油口にかかってしまっても、拭いて乾けば運転しても大丈夫、ということは分かりました。但し、ガソリンは危険な燃油だから扱いに気をつける事!と念を押されました。

    セルフスタンドに慣れない私に、弟が畳むように告げたのが、次の6つです。

  • 静電気除去シートに必ず、素手で触ること。
  • エンジンは切る。
  • 火の素は持たない。
  • オートストップ機能が効かずに漏れの原因になる為、セルフで入れる時は、奥まできちんと差し込む。
  • 気温など様々な要因で、ガソリンタンクからガソリンが漏れる可能性がある為、ガソリンが満タンになったら、それ以上入れない
  • キャップレスの車もあるが、給油口のキャップはきちんと閉めること。
  • しかもダメだしまで・・・。「姉ちゃん、もちろんボディは痛むから、よく洗車してワックスをかけておけよ。」ですって。とりあえず面倒くさいんですね。

    これからは、セルフのスタンドで入れる時は、弟に言われた事をしっかり頭に入れて、落ち着いて操作しようと思います。


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