銀が変色すると毒が入ってるの?それってホント?!
8月4日は、「箸の日」なんですって。
8と4で、は・し。
そういえば箸と言えば、以前、韓流時代ドラマを
見ていて、度々登場する毒味のシーン。
何の変哲もない、箸やスプーンを使い、毒での
暗殺を見破ってしまう。
見てる方もドキドキしますが、悪者の陰謀を
食い止め、何だかスッキリした気分になります。
しかし、この箸やスプーン、どんな仕掛けが
あるのか、不思議ですよね。
現代では、化学の力で毒物反応を解析しますが、
このドラマの時代設定は、日本で言うところの
室町~戦国時代です。
毒反応を検知できる、この箸の正体とは?
このトリックを知りたくて、色々調べてみたら、
「銀」を使ったものだとわかりました!
なぜ、銀は「毒」を検知することができるの?
あなただけに、こっそり教えますね♪
銀の特性とは?
銀を使った食器には、毒を見分けるセンサーが
付いている、とでもいうのでしょうか?
中世の毒味の手段として、銀の食器が重宝された
理由には、銀の特性が関わっているんですよ。
銀は、変色しやすい金属です。
放置しておくだけでも、黒ずんでしまいます。
というのも、銀は他の金属に比べて、原子的に
安定していないからなんです。
銀は、他の化学物質に影響されやすい金属で、
特に、硫黄を含んでいる物質に反応します。
温泉場などの硫黄の多い所に、ただ置いておく
だけで、黒く変色してしまうんですよ。
銀は、空気中に含まれている硫黄にも反応し、
硫化(化学反応)します。
硫化とは、硫黄との化合物となることを
いいますよ。
銀は「硫化銀」となり、銀の表面に硫化銀の
被膜を作ります。
この皮膜の段階によって、茶色⇒茶褐色⇒黒色
と、変化していきます。
身近なものも硫化する!
私達の生活の中にも、銀を変色させる物質は
たくさんありますよ。
シャンプー・台所洗剤・化粧品・パーマ液、
食品だと、卵や玉ねぎも。
これらには、硫黄が含まれているものが
あります。
シャンプー・台所洗剤・化粧品に含まれる、
界面活性剤にも、硫化化合物が入っています。
玉ねぎには、あの独特な匂いの成分の正体、
硫化アリルが。
卵の白身にも、加熱により硫化水素を作り出す
成分が含まれていますよ。
このように硫黄の含まれたものは、銀と反応し
黒ずみを起こします。
先日も、シルバーのアクセサリーを着けようと、
しばらくぶりに出してみたところ、
アレ?黒くなってる!
これも、硫化の仕業なんですね。
放っておいたアクセサリーは、空気中の硫黄と
化学反応を起こして、硫化したのですね。
大体こすって黒ずみを落とすのですが、それは
被膜だったんですね。
銀自体を覆うように、膜を作って黒ずみ
一層被さっているようになります。
しかし、硫化することはわかっても、それとどう
毒物が結びつくのか、不思議ですね。
次に、毒と硫黄の関係を見ていきましょうね♪
銀が反応する「毒」って何?
銀が科学的に、硫黄の含まれた物質と反応し
変色することは実証されています。
しかし、身の回りには硫黄の含まれるものが
たくさんありますよね。
変色させるものが、片っ端から毒だって訳じゃ
ないんですよ。
シャンプーが毒だとは、考えられませんよね。
中世、毒殺のために使われた毒は、ヒ素。
毒=ヒ素。
しかし、ヒ素は、無味無臭で無色。
目で見て、この食事には毒が入っている、という
見分けがつかなかったんです。
現代でも、知られていることですが、ヒ素自体が
銀を硫化させる訳ではないのです。
ではなぜ、暗殺のために盛られたヒ素は
銀の食器の色の変化で、バレてしまうのか?
それには、こんな理由があったんですよ。
ヒ素の正体とは?
ヒ素は、硫砒鉄鉱(りゅうひてっこう)という
鉱物を精製して作ります。
黒く光沢のある、美しい鉱石です。
ヒ素を取り出すには、硫砒鉄鉱を細かく砕き、
窯で炊いて出た蒸気を冷やし、結晶化させて
取り出したもの、と言われています。
しかし、当時の精製技術では、硫黄成分を
完全に抜き去ることはできませんでした。
そのため、銀の食器に触れると、変色して
しまう、といった具合なんですね。
時が経つにつれ、ヒ素の精製技術が進化し、
銀製品には反応しなくなっていくのですが、
「銀は、毒を感知する」ということだけは、
信じられ続けて、その後の宮廷料理の毒味用の
食器に使われていた、と言われていますよ。
現代においては、銀製品が変色したから、
毒が混入してる!という訳ではないのです。
ヒ素は、銀に反応しないんですから。
まとめ
テレビドラマの影響もあり、銀のイメージ
銀製品の変色=毒が入ってる?と思いがち。
しかし、違います!
銀が毒物を感知するのではなく、硫黄成分と
化学反応を起こしているからなんです。
ちなみに、日本でもこの毒味の方法を
使っていましたよ。
遣隋使が中国へ行き来していた時代、小野妹子が
中国で毒味法を知り、箸と共に日本に持ち込んだ
とも言われています。
色々とドラマでも使われていますので、興味があれば
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で
借りて見てみるのも面白いですよね。
銀のパワーって、すごいですね。
現代では、毒味には使えませんが、殺菌力が
注目されて、制汗剤にも使われてますよね。
現代でも、時代を超えて活用されている銀。
大注目の金属ですね♪